トヨタ「クラウン」とUCCが“水素焙煎”でコラボ!! 熱の1度1度を精密制御し、クラウンの4モデルを“味”で描き分けたという。トヨタとUCCが狙う水素社会のリアルと、豆の配合だけで変わる驚きの差を実際に飲み比べ!!
文:ベストカー編集部 鈴村朋己/写真:UCCジャパン、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】世界に1台しかない水素焙煎機スゴっ!! クラウン×UCCの水素焙煎コーヒのパッケージもエモい!!(20枚)画像ギャラリーコーヒーとモビリティは人々の生活を支えるツール
一口で、朝が始まる。ひと息で、心がほどける。 コーヒーは、仕事のエンジンをかけるスイッチであり、煮詰まった思考をやさしくほどく合図でもある。今日も小さな幸せを、湯気に乗せて運んでくれる。
人を動かす力はコーヒーにもモビリティにも備わっている共通点。 ドライバーをワクワクさせ、心地よい移動を叶える存在と、日々を支える一杯。その手触りはどこかで響き合っている。
10月7日、老舗コーヒーブランドUCCとトヨタが、業界の垣根を軽やかに越えた。 2025年に登場70周年を迎えるクラウンの現行モデルをイメージしたオリジナルコーヒーを、順次展開していく。
異なる業種のふたつが手を組む理由。それは、水素社会の実現を目指し、新たな価値を共創するためだ。
トヨタは「つくる/はこぶ/ためる/つかう」を掲げ、クラウンやMIRAIに水素を燃料とするFCEVを設定。定置式燃料電池発電機の開発や提供にも取り組み、エネルギーの循環を社会実装へと押し出している。
一方のUCCは、コーヒーの新しい可能性を拓くべく、従来のガスではなく水素を熱源とする焙煎に挑戦。2025年4月から大型水素焙煎機「ハイドロマスター」をUCC富士工場に導入し、水素焙煎コーヒーの量産をスタートした。これは世界初の試みである。
お互いのワークショップで見えた両社のこだわり
水素焙煎のメリットは、二酸化炭素を排出しないことにとどまらない。焙煎は、生豆を炒って酸味や苦味といったコーヒー特有の風味を引き出す、欠かせないプロセスだ。
燃焼すると水になる水素の特性を活かすことで、これまで主流だった天然ガス熱源の熱焙煎では難しかった熱風温度のきめ細かな制御が可能になり、新しい味覚体験を提供できるようになった。
4バリエーションあるクラウンの世界観を、コーヒーでどう表現するのか。トヨタはUCCの特別セミナーに参加してコーヒーの奥深さを学び、UCCはクラウンの試乗を実施。互いのワークショップを行き来しながら、商品化に向けた準備を着々と進めた。
そして約1年の協議を経て、クラウン×UCCの水素焙煎コーヒーがついに発売にこぎつけた。
それぞれが持つキャラクターをコーヒーに落とし込む
テイストは現行車種と同様に、「クラウンセダンブレンド」「クラウンクロスオーバーブレンド」「クラウンスポーツブレンド」「クラウンエステートブレンド」の4種類を用意。
使用する豆は、フルーティな酸味が特徴のエチオピア、香ばしいナッツの香りのブラジル、まろやかさが魅力のコロンビア。各モデルのキャラクターに合うようセレクトし、焙煎・ブレンドしている。
セダンとクロスオーバーはエチオピア×コロンビア。ただし配合はまったく異なる。 スポーツはエチオピア×ブラジル。 エステートは3種すべてをブレンドした。
発表会場では、4タイプを飲み比べる機会に恵まれた。 同じ豆の組み合わせであるはずのセダンとクロスオーバーが、まるで別物の表情を見せることに息をのむ。
セダンは奥行きの中に静かな苦味がある。クロスオーバーは華やかさと、丸みのある口あたり。 配合を変えるだけで、味はこれほど味が変わるのかと感心した。セダンがまとったエレガントさ、クロスオーバーの煌めきも、たしかに舌の上で再会できた。





























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