オヤジくさいなんて言わせない! 走りをとことん楽しめる「大人のMTスポーティセダン」を再評価せよ!

オヤジくさいなんて言わせない! 走りをとことん楽しめる「大人のMTスポーティセダン」を再評価せよ!

 オジサンくさいとか、ハイヤーみたいなんて言われることも多いセダン。いやいやちょっと待ってほしい、マニュアルミッションで走りを楽しめるイカしたセダンだって存在するのだ。ここでは、ジェントルなキャラにマッチした大人のスポーティセダンを紹介しよう。

文:木内一行/写真:スバル、トヨタ、ホンダ、マツダ

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「ベーシックセダンだって走りを楽しみたい」 トヨタ・カローラ

オヤジくさいなんて言わせない! 走りをとことん楽しめる「大人のMTスポーティセダン」を再評価せよ!
ラウンドを強めた一文字形状のマスクは、シャープな印象で前衛的。さらに、張り出したホイールフレアによりダイナミックでワイドなスタンスを表現している。全長と全幅は先代よりも拡大したが、全高は低くなった。写真はハイブリッド

 日本の国民車として長らく活躍してきたカローラ。

 約60年にわたる歴史の中ではスポーツセダンとして人気を得る時期もあったが、2019年発売の現行モデルではそんな「走りのカローラ」復活を感じさせるグレードがある。それがW×B(ダブルバイビー)だ。

 このW×Bは現行カローラで唯一MTが選べたグレードで、6MTは変速後のエンジン回転数を的確に制御するiMT(インテリジェントトランスミッション)を採用。スムーズな走りをアシストするとともに、操る楽しさも味わわせてくれる。

 また、同グレードにはCVTもあるがそちらは1.8リッターのハイブリッド仕様で、6MTは1.2リッターターボを搭載。

 このエンジンも見どころで、シングルスクロールターボと可変バルブタイミング・リフト機構を組み合わせることで、幅広い領域で豊かなトルクを発生し、アクセル操作に対する鋭いレスポンスも実現。小排気量エンジンながら、爽快な走りが満喫できるのだ。

 見た目もひと昔前のカローラより全然イケてるし、昔はブイブイ言わせていたオトーさんが飛びつくかと思われたW×BのMT車だが、販売はパッとせず2022年のマイナーチェンジ時に消滅。W×Bは、CVTと1.5リッターダイナミックフォースエンジンの組み合わせのみとなってしまった。

 そのため中古車市場では品薄状態。本気で狙っているのであれば、見つけたら即買いかも。

「ディーゼルターボをMTで自在に操る」 マツダ・アテンザ(3代目)

オヤジくさいなんて言わせない! 走りをとことん楽しめる「大人のMTスポーティセダン」を再評価せよ!
マツダのデザインテーマ「魂動」を取り入れたエクステリアは、ダイナミックなデザインと堂々としたボディサイズで存在感抜群。2018年の改良で前後のデザインをリファインし、立体感や重心の低さを強調している

 マツダのフラッグシップセダンとしてワールドワイドに活躍しながら、2025年に全世界で生産を終了したマツダ6。

 その前進となる3代目アテンザは、新世代技術「SKYACTIV」と新デザインテーマ「魂動」を採用し、ダイナミックなルックスとともに意のままに操れる上質な走りを特徴としていた。

 エンジンは、2.5リッターと2リッターのガソリン、2.2リッターディーゼルターボの計3種でスタート。MTのあるディーゼルターボは、低圧縮比化により燃焼効率を高めてクリーンな排ガスを達成しつつ、振動や騒音も低減。

 さらに、大小のタービンを効率良く作動させることで低回転域での優れたレスポンスと高トルク、高回転域でのハイパワーも実現した。

 2016年の改良では、エンジンのトルク応答をより緻密に制御する「DE精密過給制御」を採用したことで、アクセル操作に対する反応が向上。2018年の大幅改良では新技術が投入され、出力/トルクともにアップ。より伸びやかで力強い走りとともに、静かで上質なサウンドを手に入れた。

 ディーゼルターボエンジンに組み合わされるミッションは6ATと6MT。「SKYACTIV-MT」と名付けられた6MTは、従来型よりもショートストローク化しつつ構造を最適化して操作力を低減。手首だけで操作できるスポーティなシフトフィールは痛快だ。

 そして、このディーゼルターボと6MTの組み合わせはマツダ6になってからも続いたが、2022年に消滅。その後、生産終了まで全車6ATとなっていた。

 アテンザとしても約7年販売していただけあり、中古車市場でもMT車はそれなりに流通している。年式やコンディション次第ではお手頃な物件もある。ただし、マツダ6になると物件自体が少なく、MT車は皆無だ。

次ページは : 「走りとともに燃費にも貢献するAWDターボ+MT」 スバル・レガシィB4(5代目)

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