【フォレスター以降投入ゼロ!!】新車不足のスバルを販売現場はどうみている?? 、【世界からSUBARUが消える!!?】 スバルの行く手に立ちふさがる根深く大きな問題など、スバルの現状を巡る記事をお届けしてきたが、肝心のスバル自身はこの先の展望をどのように描いているのだろう。
その一端を垣間見ることができたのが、今年(2020年)1月20日に開催された「SUBARU技術ミーティング」だ。中長期的にスバルが目指していく、クルマ作りに対する考え方、技術的な姿勢を明らかにした。
さて、スバルが目指す近未来、そして50年後、100年後のクルマ作りとはいったいどのようなものなのか。そしてその実現のためにスバルは「今」、何に取り組み、何を実現しようとしているのだろうか。ミーティングの様子を振り返りながらお届けする。
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※本稿は2020年2月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年3月10日号
■ワールドプレミア!!! 世界初公開された「EVデザインスタディ」
まずは、会場に展示されたSUVテイストの1分の1デザインモックアップに注目したい。
『次世代SUBARU EVデザインスタディモデル』と表現され、いわゆる車名的なものは特に定められてはいない。その名のとおり、EVのデザインスタディモデルで、これまでどのモーターショーでも公開されていない、まさに世界初公開のものだ。
これは昨年(2019年)6月、トヨタが発表した「~トヨタチャレンジ~ EVの普及を目指して」のなかで表明された、グローバルでのニーズに応える必要十分なEVのバリエーション展開と、そのための効率的開発を実行するための回答だ。
すなわち、トヨタは2020年以降グローバルで10車種以上のEVを投入するために、スバルをはじめスズキ、ダイハツなどと共同で、各パートナーが得意とするカテゴリーのEVを開発するとしている。
トヨタとスバルが共同で開発を進めるミディアムSUVのスバルバージョンとなるデザインスタディがこのモデルだ。
プラットフォームはトヨタとの共同開発で、トヨタバージョンとボディの基本フォルムは共通ながら、フロントマスクやリアスタイルに“スバルらしさ”が表現されている。
例えばフロントグリルのヘキサゴン(6角形)形状は、スバルの六連星をイメージしたもので、現在のスバル車全般に採用されているデザインとの共通性がある。
また、前後フェンダーのブラックアウトされたアクセントも、スバルデザインのベースとなる「ダイナミック&ソリッド」を表現したもので、コンセプトモデルVIZIVアドレナリンと通じるものがある。
当然、今後のスバルデザインへとつながっていく、まさに「デザインスタディ」といえる。
もちろん、あくまでも今回公開されたものはモックアップでウィンドウはブラックに塗りつぶされており、タイヤ&ホイールは「ホンモノ」が装着されていた一方、サスペンションなどは非公開。EVの内容についてもいっさい明らかにされることはなかった。
しかしホイールベースの長さ、前後オーバーハングの短さなど、そのプロポーションはEV専用に開発されたプラットフォームならではであることがわかる。
「AWDということは、当然念頭に置いている」と、技術部門のトップ(CTO)である大拔哲雄取締役専務執行役員は言う。
このCセグピュアEVは2020年代前半に市場投入する計画で開発が進められているといい、これを皮切りに、EVラインナップを拡充していく計画だ。
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