タイヤ交換は最もわかりやすいチューニングと言われていて、実際に新しいタイヤに交換すると劇的な変化が体感できる。
しかしタイヤを交換する時に悩みは尽きない。タイヤが1種類しか存在しないなら迷わないが、いろいろな銘柄があり、しかも高いタイヤもあれば安いタイヤもある。
出費を抑えるなら安いタイヤを選ぶのが得策となるが、高いタイヤがどのようなものなのかも気になるところ。
そこで今回は、スポーツタイヤ、コンフォートタイヤ、エコタイヤの3タイプについて、タイヤのスペシャリストの斎藤聡氏が、高いタイヤと安いタイヤは何が違うのか? 価格の差はどこにあるのか、という点を解説していく。
文:斎藤聡/写真:BRIDGESTONE、YOKOHAMA Rubber 、
Sumitomo Rubber Industries 、ベストカー編集部
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スポーツタイヤはコンパウンド命
高いタイヤと安いタイヤの違いはどこにあるのでしょうか。なるべく一般論にならないように、今回はスポーツタイヤ、コンフォートタイヤ、エコタイヤのそれぞれについて、高いタイヤと安いタイヤの違いを見ていこうと思います。
まずはスポーツタイヤから。
これは比較的わかりやすいと思います。スポーツタイヤのなかでも特にハイグリップ系のタイヤの場合は、速さがタイヤの価値なので、グリップのいいコンパウンドの開発にお金をかけているわけです。
ただし、タイヤのケース(骨格)が貧弱なのにコンパウンドグリップだけがいいと、タイヤの変形が大きくなりすぎてタイムが出にくい乗り難いタイヤになってしまいます。
コンパウンドグリップをよくするためには、それに見合ったタイヤケースも作らなくてはなりません。
特にスポーツタイヤの場合は、グリップのよさ=速さとなり、サーキットなどでのタイムに反映するので、ライバルを横眼でにらみながら最先端の技術を盛り込みしのぎを削らなくてはならないわけです。
もう20年くらい前ですが、スポーティタイヤというのが注目を集めたときがありました。ハイグリップなスポーツタイヤを履きこなせるクルマはスポーツカーなので、軽快に走るスポーティカー用に作られたタイヤです。
コンパウンドグリップはそれほど高くせず、比較的剛性の高めのケースと組み合わせることで、軽快シャープな乗り味を作り出していました。
今でいうと、ポテンザに対するアドレナリンや、アドバンネオバに対するフレーバ、ディレッツァZIIIに対するディレッツアDZ102といった存在でしょうか。
絶対的な速さよりも気持ちよさ、楽しさが優先されるので、ハイグリップタイヤほどお金のかかったコンパウンドやタイヤケースを使っていないぶん、比較的安価な価格設定が可能なわけです。
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