【見た目変化ゼロなのに価格差は数倍!!】安いタイヤと高いタイヤの差はどこにある?

【見た目変化ゼロなのに価格差は数倍!!】安いタイヤと高いタイヤの差はどこにある?

 タイヤ交換は最もわかりやすいチューニングと言われていて、実際に新しいタイヤに交換すると劇的な変化が体感できる。

 しかしタイヤを交換する時に悩みは尽きない。タイヤが1種類しか存在しないなら迷わないが、いろいろな銘柄があり、しかも高いタイヤもあれば安いタイヤもある。

 出費を抑えるなら安いタイヤを選ぶのが得策となるが、高いタイヤがどのようなものなのかも気になるところ。

 そこで今回は、スポーツタイヤ、コンフォートタイヤ、エコタイヤの3タイプについて、タイヤのスペシャリストの斎藤聡氏が、高いタイヤと安いタイヤは何が違うのか? 価格の差はどこにあるのか、という点を解説していく。

文:斎藤聡/写真:BRIDGESTONE、YOKOHAMA Rubber 、
Sumitomo Rubber Industries 、ベストカー編集部

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スポーツタイヤはコンパウンド命

 高いタイヤと安いタイヤの違いはどこにあるのでしょうか。なるべく一般論にならないように、今回はスポーツタイヤ、コンフォートタイヤ、エコタイヤのそれぞれについて、高いタイヤと安いタイヤの違いを見ていこうと思います。

スポーツタイヤはいかに速く走ることができるかに主眼が置かれて開発が進められていて、特にコンパウンドが非常に重要な意味を持つ

 まずはスポーツタイヤから。

 これは比較的わかりやすいと思います。スポーツタイヤのなかでも特にハイグリップ系のタイヤの場合は、速さがタイヤの価値なので、グリップのいいコンパウンドの開発にお金をかけているわけです。

 ただし、タイヤのケース(骨格)が貧弱なのにコンパウンドグリップだけがいいと、タイヤの変形が大きくなりすぎてタイムが出にくい乗り難いタイヤになってしまいます。

ブリヂストンのスポーツタイヤと言えばポテンザブランドで、RE-71 RSはサーキットで速く走るための必需品とも言われている

 コンパウンドグリップをよくするためには、それに見合ったタイヤケースも作らなくてはなりません。

 特にスポーツタイヤの場合は、グリップのよさ=速さとなり、サーキットなどでのタイムに反映するので、ライバルを横眼でにらみながら最先端の技術を盛り込みしのぎを削らなくてはならないわけです。

コンパウンドによるグリップが向上しても、サーキットなどではタイヤの骨格自体の強度が重要になる。高いタイヤは両面を高い次元で融合させている

 もう20年くらい前ですが、スポーティタイヤというのが注目を集めたときがありました。ハイグリップなスポーツタイヤを履きこなせるクルマはスポーツカーなので、軽快に走るスポーティカー用に作られたタイヤです。

 コンパウンドグリップはそれほど高くせず、比較的剛性の高めのケースと組み合わせることで、軽快シャープな乗り味を作り出していました。

 今でいうと、ポテンザに対するアドレナリンや、アドバンネオバに対するフレーバ、ディレッツァZIIIに対するディレッツアDZ102といった存在でしょうか。

 絶対的な速さよりも気持ちよさ、楽しさが優先されるので、ハイグリップタイヤほどお金のかかったコンパウンドやタイヤケースを使っていないぶん、比較的安価な価格設定が可能なわけです。

ポテンザに対するアドレナリンや、アドバンネオバに対するフレーバ、ディレッツァZIIIに対するディレッツアDZ102はポテンシャルも高く、買い得感が高いと言える

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