2025年12月18日、新型デリカD:5(ビッグマイナーチェンジ)正式発表にともない、三菱自動車・加藤隆雄代表取締役社長が記者会見を実施。現行型の発売から19年目となるデリカD:5の魅力や思い出を語るとともに、記者から次期型についての質問が飛ぶと、「デリカのファンに次期型について聞くと、みんな100%【デリカはこのままでいい】って言うんですよ……」と答えた。以下、加藤社長の会見内容と新型デリカD:5の概要をお伝えする。
文:ベストカーWeb編集部、写真:三菱自動車、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】新型デリカD:5発表(マイチェン)の全画像(16枚)画像ギャラリー凸凹の道でも冠水路でも走れるミニバン
三菱自動車は本日(2025年12月18日)、オールラウンドミニバン『デリカD:5』を大幅改良し、2026年1月9日より発売すると発表した。メーカー希望小売価格は451万〜494万4500円(消費税込)。
発表にともない三菱自動車・加藤隆雄社長が都内で記者会見を実施。会見では「10月30日の予約開始から本日(12月18日)までの一カ月半で、新型デリカD:5の受注が5000台に達したこと」、「発売されたばかりの新型デリカミニも順調に売れており、月販目標4000台のところ1万2000台の受注が入っていること」などが語られた。
また記者との質疑応答では興味深いやり取りもあったので、質疑応答から以下抜粋したい。
(質疑応答から一部抜粋)
ーーデリカD:5は現行型発表から19年目。加藤社長が考えるこのクルマの魅力と支持される理由、三菱らしさはどんなところか?
加藤隆雄社長(以下、加藤社長)…「デリカ」は、このD:5として発売されてから仰るように19年目、それ以前のモデル(デリカスペースギアやスターワゴン)から長く愛していただいているお客様がたくさんいて、実際にお客様に話を聞くと「子供の頃に親が乗っていた」だとか、「若い頃に欲しいと思って、やっと買えるようになった」だとか、家族や仲間に密着したクルマであるし、また一緒に遠くへ行って、無事に帰ってくるといった、他にはな魅力のあるクルマに育てていただきました。性能ももちろんですが、個性や歴史を備えたところをご支持いただけていると思っています。また、そういうところに三菱らしさ、我々にとっても大事なものがあると考えています。
ーー加藤社長ご自身の、このデリカD:5の思い出があれば。
加藤社長…わたくしがインドネシアの現地法人(PT Mitsubishi Motors Krama Yudha Indonesia/MMKI)で社長をしていた頃(2015-2019年)、このデリカD:5を使っておりました。インドネシアという国の道は、ものすごく凸凹が多くて、急にボンと大きな穴が入ったりして、とにかく移動が大変でした。それから洪水。雨が降ると、そこらじゅうが水浸しになって、普通のクルマが通れないところもしょっちゅう出てくるんですけれども、このデリカD:5に乗っていたおかげで、まあちょっとした凸凹道だとか、大雨で冠水した道路なども、頼もしく走り抜けてくれました。そういう思い出深いクルマです。
ーー2年前のジャパンモビリティショーでは「デリカDXコンセプト」という、次期型デリカのコンセプトカーが出品された。現行デリカD:5も19年目、そろそろ次期型について話が出てきてもいいのでは?
加藤社長…はい、確かに2年前にコンセプトモデルをお見せしました。(新型デリカについて関心のある)お客様からは、「PHEVが欲しい」という声をたくさんいただいていますので、我々としてもPHEVは出したいと思っています。
ただ一方で、市場をいろいろ調べると、BEVを求めるニーズもある。電動化の方向性はそこも含めて考えていかなければいけません。
また、現行デリカD:5はモデルライフが長くなってきたという見方もありますが、デリカファンの方、ユーザーの皆さんに「古くなってきましたよね」というと、これが皆さん、100%、「いやデリカは今のままがいい」と仰るんです。「あと5年は問題なくもつ」と。そう言われると、新しいものを出したほうがいいのかどうか、簡単には決められない部分もあります。
逆に言えば、それだけファンの皆さまに応援していただいているということで、本当に感謝しておりまして、そうしたお客様の声を丁寧に伺いながら、モデルチェンジが必要なら、タイミングをしっかり見極めていきたいと思います。
(質疑応答抜粋ここまで)
実際にデリカD:5は売れまくっており(1カ月半で5000台受注)、三菱自動車の国内販売の大黒柱となっている。こうなると次期型への切り替えの判断はなかなか難しくなってくるだろう(もちろん新型の開発は進んでいるはずだが)。
なお新型デリカD:5は、今回の改良でフロントグリル/前後バンパー刷新やホイールアーチモール追加、18インチ新デザインAWで“タフさ”を強調。ボディ色はムーンストーングレーメタリック×ブラックマイカなど2トーンを拡充し全9色展開。
走りは三菱の伝家の宝刀「S-AWC」を初搭載し、さらにECO/NORMAL/GRAVEL/SNOWの4モード+ヒルディセントで路面対応力をバリバリと強化。三菱e-Assistも進化し、自転車検知の衝突被害軽減ブレーキ、後退時も対応する誤発進抑制、パーキングセンサー、画質約3倍のマルチアラウンドモニター(新ビュー&移動物検知)などで安全・便利性を高めた。発売日前日までの成約でディーラーオプション7万円分を進呈するという。またさらに売れそうだなーー。


















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