クルマの技術が高度化する今、整備士はどうみられている? 整備士のイメージをアンケート調査!

クルマの技術が高度化する今、整備士はどうみられている? 整備士のイメージをアンケート調査!

 クルマの電動化やソフトウェア面での技術が進むなか、自動車整備士の見られ方も変わり始めている。関東工業自動車大学校の調査から、子どもの興味、整備士像とのギャップ、求められるスキル、そして整備士のなりて不足に関する課題が浮かび上がってきた。

文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes、Adobe Stock(トビラ写真:7day@Adobe Stock)

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EV・AI時代の整備士をどう見るか!?

 自動車整備士を養成する専修学校「関東工業自動車大学校」は、中高生の保護者を対象に、整備士に関するアンケートを実施し、2025年12月23日にその結果を分析し公開しました。

 今回のアンケートは、EV(電気自動車)や自動運転技術の発展具合が、目に見えて顕著な現代において、中高生の子どもを抱える親御さんたちは、自動車整備士の仕事や将来性をどのように見ているかを問うもの。

 報告書を見れば、クルマへの関心や整備士自体のイメージなど含めて全部で9つの質問が設けられ、およそ110の回答を得た模様です。最もサンプルを得ることができたのは、中学1年生のお子さんを持つ家庭で、全体の25.5%を占めています。

 次に多いのは中学2年生の親で21.8%で、その他は、中学3年、高校3年、高校1年、高校2年の順で回答数を占めました。

クルマへの関心度は極端に低くはない!?

 まず、注目したいのが、子ども本人のクルマや自動車技術への興味。

 「とても興味がある」は全体の8.2%、「興味がある」は17.3%にとどまり、「少し興味がある」30.0%で、一方、「あまり興味がない」の35.5%が全体のなかで最も大きな割合を占めました。ただ、「全く興味がない」は9.1%で、関心の程度に差はあれど、過半数は興味がある側だと見なすことができます。

 若者のクルマ離れが囁かれて久しくはあるものの、ざっくりと見れば、まだまだクルマに関心のある層は極端に少ないということはなさそうです。アンケートを行った関東工業自動車大学校も「強い関心が集中する形ではなく、関心の度合いが中間領域に広く分布している点が特徴的」と、結果を分析しています。

専門性は高いけどキャリア形成がイメージしづらい!?

 一方、EVやAIの普及を踏まえた整備士の将来性をどう見るかといった質問に対しては、次のような結果がでています。

 まず、「需要がさらに増えると思う」35.5%、「専門性は高まるが需要は現状維持」が48.2%と大半を占め、職業そのものが不要になるとは見られていないようです。仕事量の増減よりも、求められる役割が変化するという見方が共有されている点がポイントです。

 また、整備士のイメージについてはは「専門性が高い」が72.7%、「体力が必要そう」が57.3%、「技術革新で難しい職業になりそう」が41.8%が上位に。これらの回答から、整備士は目指すのが簡単ではない職業と見られているようです。

 ただし、「収入が安定しそう」といった回答が20.0%、「将来性がある」は15.5%といった数値に。これらの結果を受けて、整備士が高度な仕事であるという認識が強い一方で、将来像やリターンが結びつきにくというギャップが、進路としての選びづらさにつながっているといった指摘も報告内で示されました。

整備士不足が囁かれる今、なにが課題か?

 また、今後整備士に必要なスキルはなにかといった設問では、「電気・電子の知識」が81.8%、「AI・自動運転技術の理解」が72.7%と上位に。一方で「従来のエンジン整備」は20.0%にとどまっています。

 肝心な進路としての魅力については、「魅力的」が46.4%が最多ですが、「どちらともいえない」も36.4%と高い割合がでました。

 これらの結果を受けて、関東工業自動車大学校は、整備士の資格やスキルは評価されるものの、そのことは将来を選択する決め手となっていないといった現状分析を提示しています。また、仕事の中身やキャリアの広がりが具体的に描きにくい状況が、判断を保留しているといった指摘も。

 いずれにせよ、今回のアンケート結果は、整備士のイメージが機械中心から、電気やシステムを理解して判断する技術者へ移りつつあることを示す一方で、EV・AIが急速に不朽している昨今、整備士がますます必要とされていることも意味しています。

 同時に、関東工業自動車大学校による報告は、キャリア形成の見通しを社会により周知・共有していくことが、整備士不足の解消につながる鍵となり得ることも示していると言えるでしょう。

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