日産は耐えられるのか!?  本業が2000億円赤字でも強気を崩さない! 中間決算に見えた危機と賭け

日産は耐えられるのか!?  本業が2000億円赤字でも強気を崩さない! 中間決算に見えた危機と賭け

 さまざまな出来事があった自動車業界の2025年だが、特にここで取り上げる日産にとっては、追浜工場での生産終了が発表されるなど波乱の一年だった。ここでは、経営危機からの再建が続く日産の2025年を総括し、評価&採点する。

※本稿は2025年12月のものです
文:井元康一郎、渡辺陽一郎/写真:日産、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年1月10日号

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井元康一郎の評価

数の売れるクルマが必要な現在の日産において、進化してはいるがBEVのリーフでは心許ない
数の売れるクルマが必要な現在の日産において、進化してはいるがBEVのリーフでは心許ない

 日産の中間決算は危機的な数値だった。売上は4055億円マイナスの5兆5786億円、営業損益は276億円の赤字。経営再建に向けて構造改革中だが、結果が出るまで耐えられるかどうか、胸突き八丁の状況が続いている。

 手元資金が2兆円以上あるため“即死”するほどではない。が、自動車販売、金融の2大事業のうち、本業中の本業である自動車事業の赤字が2000億円を超えたのは経営危機の出血がいまだに止まっていないことの証左と言えるだろう。

 ただ、経営は萎縮していない。お金の流れを示すキャッシュフローを見ると営業と投資がマイナス、財務がプラス。これは危機的状況の中で大勝負に打って出る企業によくみられるパターンだ。物事が上手くいっていない時の最大の敵は弱気の虫。強気な姿勢を失っていないのはプラス材料と言える。

 自動車を巡る技術開発競争が激化する一方の今日、日産の規模で単独で生き残るのは難しい。ホンダとの経営統合は破談に終わった今、業務提携をどれだけ深められるかが重要。また、ここにきていったんは冷え切ったルノーとの関係が改善の兆しを見せているのもいい傾向と言える。

 もっとも、それらの提携を上手く生かせるかは経営再建次第。日産の動向から当分目が離せそうにない。

●井元康一郎の採点
・財務状況:5点
・利益率:0点
・新車販売:2点
・2026年の見通し:2点
・5年後(2030年)の見通し:4点
・総合評価:2点

渡辺陽一郎の評価

2026年に登場する新型エルグランドは日産の命運を左右する
2026年に登場する新型エルグランドは日産の命運を左右する

 日産は国内では新型車が少なく2010年から2020年までは、新型車が2年に1車の時期もあった。

 今でもシエンタやフリードのようなコンパクトミニバンはなく、売れ筋カテゴリーのコンパクトSUVのキックスも設計が古い。販売は低調で、2025年1~10月の国内販売台数は、トヨタ、スズキ、ホンダ、ダイハツに次ぐ5位だ。

 新車の開発費用が不足して車種も少ないため、1車種に多彩なグレードを用意。ベーシックなノート、上級のオーラ、スポーティなオーラNISMO、SUV風のクロスオーバーという具合だ。エクストレイルも、NISMO、SUV感覚の強いロッククリーク、上質なオーテックを揃える。

 今後登場する日産車は、同様の方法で選択肢を充実させる。2026年の日産では新型エルグランドに注目。新技術は運転支援機能で、2027年から2028年には、AIを使った次世代プロパイロットをエルグランドに採用する。街中でも使えて作動の仕方は自動運転に近い。注目の新技術だ。

●渡辺陽一郎の採点
・ADASの充実度:9点
・技術的先見性:8点
・新車戦略:6点
・ラインナップの充実度&販売力:6点
・2026年の新車への期待度:8点
・総合評価:7点

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