2026年2月2~3日、京都府向日市で開催された『ZET-summit 2026』の連動企画である『京都モビリティ会議』。『自動運転がもたらすモビリティの未来』をテーマに、日産自動車総合研究所の木村健さん、成城大学自動車部の板倉拓寿さん、ベストカー編集局長・寺崎彰吾が、自動運転技術の今と未来について語りました。
文、取材/寺田鳥五郎、取材協力/京都府、ZET-BASE KYOTO
【画像ギャラリー】京都モビリティ会議2026開催と関連画像(8枚)画像ギャラリー「バスガイド風のDJ」も装備できる自動運転車
寺崎彰吾ベストカー編集局長(以下、寺崎)…まず日産自動車の木村さんにモビリティの将来に向けた取り組みをご紹介いただきます。
木村健 日産総合研究所エキスパートリーダー(以下、木村)…ドライバーの高齢化、公共バスの廃線など社会問題は多く、地域生活の質の向上に貢献するために全国で実証実験を行っています。福島県浪江町ではスマートモビリティで移動するだけでなく、人の集まる機会を作り、モビリティで町を賑やかにする取組を実施。横浜市ではアプリで配車する自動運転(レベル2)の実証実験を行いました。自動運転の実現には車両だけでなく、お客様への配車、遠隔監視の仕組み、監視員の配置、クルマが壊れたときに救援する人なども必要です。そんな様々な仕組みを作るために、多くの専門事業者と協力して実験を行っています。神戸市では観光と自動運転の取り組みとして、AIのエージェントを載せた車両が酒蔵の前を通るときに、AIが自動で文章生成してバスガイド風に情報を発信する「AutoDJラジオ」の実験を実施。乗車した地元の方々からは知らない情報を得られたと好評でした。
様々な実験を積み重ねる
木村…運転技術面では、雪上で自動運転の実験も行っています。クルマ自身が走りながら滑りやすい路面状態を自ら検知して、自動的に走り方を修正します。一般道では部分的な濡れや凍結などの路面変化があるので、横滑りもなく安定して走行するためには欠かせないテストです。また遠隔監視では、突然の不具合で停止した場合の救援など、人の関与は欠かせません。渋滞の車列が交差点まで続いているのか、手前の駐車場待ちなのか、クルマから分からない場合もありますが、遠隔監視員が状況を伝えれば、正しい判断での運行ができます。
自動運転は、いつ実現する?
寺崎…雪道のテスト、驚きました。自動運転はすでに、ドライバーの運転技術を超えているんでしょうか。
木村…人間には察するという優れた能力がありますが、自動運転にはタイヤが滑るギリギリを調整する能力があります。日産のトップドライバーには及ばないものの、普通の人よりは高い速度で、雪道を安定して速く走らせることができます。
寺崎…自動運転の普及にはコストの課題もあります。
木村…自動運転センサー、特にレーザー光を使ったライダーが高額だと言われていますが、これが量産化され、車体も工場のラインで製造されれば、いくらとは言えませんが、価格は相当下がります。
寺崎…では、自動運転と普通運転のクルマが半々になるのはいつ頃でしょうか。
木村…半々は、かなり先のような気がします。でも、できる、できないではなく、社会的ニーズがあるので、数万台の普及は2030年前半ぐらいでしょうか。
寺崎…いつか、世の中の全てのクルマが、自動運転になりますか?
木村…ある地点を超えた瞬間、自動運転での移動が自然になるかもしれませんね。
板倉拓寿 成城大学自動車部(以下、板倉)…自動運転になれば、逆に自分で運転する楽しさをより感じそうで。ところで自動運転は都市と地方ではどちらが先に普及すると思いますか?
木村…実証実験をしている横浜では移動にそれほど困りませんので、必要性が高い地方から増えるべきだと思います。ただ、利用者が少ないと事業を成立させるのが難しいので、バランスをどう取るか。
板倉…都市部を走ることができれば、地方でも問題なく走れそうですよね。
木村…実は意外にそうではなくて、地方は交通量が少なくて事故が起こりにくいかもしれませんが、道路がきれいに整備されていなかったり、野生動物が出てきたり、その地域特有の課題解決の必要があります。
寺崎…公共交通の縮小や高齢者の免許返納など、将来の社会に自動運転は欠かせません。何度も聞きますが、実現はいつ頃でしょうか?
木村…2030年ぐらいに事業が立ち上がれば、そこから5〜10年で相当広がると思います。
寺崎…我々の足腰が立たなくなる頃までには、自動運転で役所に行けそうだということですね(笑)。











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