「モリゾウさん覚悟しておいてください」 ル・マン優勝で喧嘩に進展!!? トヨタレーシング「ジャイアーノ」中嶋裕樹副社長がコメント

「モリゾウさん覚悟しておいてください」 ル・マン優勝で喧嘩に進展!!? トヨタレーシング「ジャイアーノ」中嶋裕樹副社長がコメント

 ル・マン制覇から一夜明けて、その興奮も冷めやらぬなかトヨタレーシングのメディアサイトには新たなリリースが出された。「ジャイアーノ(中嶋副社長)メッセージ」。公式リリースで愛称のジャイアーノが先に来るあたり、とても明るい広報姿勢が見て取れる! モリゾウさん、そしてGRに対するジャイアーノさんの熱い思いをお届けしよう。

文:ベストカーWeb編集部/写真:SPJ-JS、トヨタレーシング

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トヨタレーシングは「限界のその先を目指す」

モリゾウさんが率いるGRと中嶋副社長が率いるトヨタレーシングのガチンコ勝負。レフェリーは佐藤社長(当時)だ
モリゾウさんが率いるGRと中嶋副社長が率いるトヨタレーシングのガチンコ勝負。レフェリーは佐藤社長(当時)だ

 トヨタレーシングの登場が発表されたのが2026年1月。GAZOO RACING(GR)があるのに、なぜトヨタレーシングが生まれるのか。その発表には少し戸惑いがあったのも事実だ。WRC、F1(Haas)、スーパーフォーミュラ、スーパーGTなどは引き続きGRがサポートするといい、WECだけ看板が変わるというものだった。

 そして年初の東京オートサロン。GRを率いるモリゾウ(豊田章男会長)さん、そしてトヨタレーシングを率いる中嶋裕樹トヨタ副社長の「喧嘩」が話題になった。もちろん仲違いというわけではなく、ライバルとしての対立である。それを「喧嘩」という表現をするのはいかにも「イマ」のトヨタのユニークさだ。

富士24時間レースでは北米カムリのカスタム勝負をGRとトヨタレーシングで実施。正統派GRに対しトヨタレーシングの方向性がわかる(笑)
富士24時間レースでは北米カムリのカスタム勝負をGRとトヨタレーシングで実施。正統派GRに対しトヨタレーシングの方向性がわかる(笑)

 中嶋副社長は当時「さっきから聞いてれば”モリゾウ、モリゾウ”と言っていますが、モリゾウを中心にいいクルマをつくりたい連中は社内にたくさんいます。一方で、モリゾウと一緒にやらずにいいクルマだけつくりたいというエンジニアもトヨタにはたくさんいるんです。そいつらを代表しているのが私です。なので、モリゾウGRと袂を分ち、TRを立ち上げるという宣戦布告をしに来ました(以上、トヨタイムズより引用)」と語っている。

 エンジニアとして限界を超えたい中嶋副社長の熱い思いが露呈したのだ。そして2026年のル・マンは必ず優勝し、トロフィーをモリゾウさんに叩きつけるとまで宣言。モリゾウさんにここまで言うことの重みは、この勝負が単なる「賑やかし」ではないなと震撼した覚えがある。

コメント全文から見えるジャイアーノのアツさ

7号車が優勝。これ以上ないリザルトをモリゾウさんに叩きつけた!!
7号車が優勝。これ以上ないリザルトをモリゾウさんに叩きつけた!!

 そして堂々たるル・マン優勝。トヨタレーシングの公式ページには中嶋副社長のコメントが発表された。やはりトロフィーは叩きつけるそうです。以下、コメント全文。

ル・マン24時間レース優勝に寄せて

ル・マン24時間レースをともに戦ってくださったファンの皆様。

レースを支えてくださったACO、FIA、マーシャル、オフィシャルの皆様。

そして24時間、本気で戦い抜いたすべてのライバルの皆様。

ありがとうございました。

まずは7号車のドライバーたち。そしてチームのみんな。優勝おめでとう。

そして、本当にありがとう。

今年のル・マンは決して楽なレースではありませんでした。予選は14位と15位。決して有利な位置からのスタートではありませんでした。

そこから仲間たちは知恵を出し合い、勇気を持って決断し、一歩ずつ前へ進みました。苦しい場面もありました。流れを失うこともありました。思いどおりにならないこともありました。

それでも誰も諦めませんでした。

トヨタレーシングのフラッグが眩しい。BMWを抑えて勝つというのも歴史的に見てもまさに雪辱を果たしたドラマだ
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エンジニアは知恵を絞り続けました。メカニックは最後までクルマを信じ続けました。

ドライバーは限界のその先まで挑戦し続けました。そしてチーム全員が、お互いを支えながら24時間を戦い抜きました。

今日の勝利は、速さだけで勝ち取ったものではありません。人の力で勝ち取った勝利です。

そして今日、優勝したのは7号車ですが、勝ったのは1台ではありません。

7号車と8号車。そして2台のTR010 HYBRIDを支えたすべての仲間たちです。

ドライバー。

エンジニア。

メカニック。

スタッフ。

誰ひとり欠けても、この結果はありませんでした。

私は、この勝利はTOYOTA RACING全員で勝ち取った勝利だと思っています。

そしてBMW、キャデラック、フェラーリをはじめ、最後まで本気で戦ってくださったライバルの皆様。皆さんがいたからこそ、この勝利には価値があります。本当にありがとうございました。

そして、今日はもうひとつお話ししたいことがあります。

東京オートサロンで、私はこんな話をしました。「トヨタには、モリゾウと一緒にクルマをつくりたい人もいる。そして、自分たちのやり方で挑戦したい人もいる。」

私は、その両方の仲間たちと仕事をしています。だからこそ今回のル・マンは、私たちTOYOTA RACINGにとって特別な意味を持つ挑戦でした。

GRが「もっといいクルマづくり」を追い続けるなら、私たちTOYOTA RACINGは、もっといい技術をつくりたい。もっといいパワートレーンをつくりたい。

もっと速く。もっと強く。もっと効率よく。限界のその先を目指したい。

ル・マンはレースです。でも私たちにとっては、それ以上に技術開発の最前線です。

エンジン。ハイブリッド。燃料。ソフトウェア。制御。空力。そして人づくり。

そのすべてが競争です。そのすべてが挑戦です。

だから私たちTOYOTA RACINGは、新しいフィロソフィーとして、

『For the Engineering Race』という言葉を掲げています。

レースのために技術を磨く。技術のためにレースをする。勝利のためだけではなく、技術者たちが世界一を目指せる舞台としてレースに挑む。それがTOYOTA RACINGです。

今日ここで結果を残してくれた仲間たちは、その挑戦を信じて戦ってくれました。私は、そのことを何より誇りに思います。

そして最後に。モリゾウさん。

東京オートサロンで約束した喧嘩三番勝負。

今日は約束どおり、TOYOTA RACINGがル・マンで勝利しました。

残念ながら、トロフィーはまだフランスにあります。ですので今日のところは、オートサロンで宣言したように「叩きつける」ことができません。でも、必ず日本へ持ち帰ります。

覚悟しておいてください。

ただ、私たちが本当に見てもらいたいのはトロフィーではありません。あなたが育てた仲間たちが、自分たちで考え、自分たちで決断し、自分たちで挑戦し、自分たちで勝てるチームになったことです。

オートサロンで私は、「モリゾウと一緒にクルマをつくりたくない人たちもいる」という話をしました。今日、その仲間たちの意地と実力を見てもらえる結果になったと思います。

でも、それはモリゾウに反旗を翻したという話ではありません。モリゾウがつくった土壌から生まれた、新しい挑戦の話です。

私たちは同じ山を登っています。目指している頂上も同じです。ただ、選んだルートが違うだけです。

GRにはGRの挑戦がある。TOYOTA RACINGにはTOYOTA RACINGの挑戦がある。

そして今日、TR010 HYBRIDはその挑戦が間違っていなかったことを証明してくれました。私たちが日本へ持ち帰るのは、優勝トロフィーだけではありません。

TR010 HYBRIDに込めた技術者たちの意地です。

現場で汗を流した仲間たちの挑戦です。

そしてTOYOTA RACINGという新しいチームの可能性です。

そのすべてを持って、あなたに報告に行きます。その時は、ぜひ受け取ってください。

ありがとうございました。

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