予約受注が開始され、7月16日の正式発表を控える新型エルグランド。はたして、一強となっているアルファード&ヴェルファイアに対し、アドバンテージはあるのか? モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が重箱の隅を突くように、徹底比較!
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部
新型エルグランドにあってアルファード&ヴェルファイアにないもの
2026年に発売される新型車の中で、特に注目される車種がLサイズミニバンの新型日産エルグランドだ。従来型は2010年に発売されたから、16年ぶりのフルモデルチェンジになる。そこでさまざまな機能や装備を刷新する。
販売店は「エルグランドの正式発表は(2026年の)7月16日だが、販売店では、5月28日には価格も明らかにして予約受注を開始した」という。
そしてLサイズミニバンでは、アルファードの売れ行きが圧倒的に多い。2025年度(2025年4月~2026年3月)の登録台数は、1か月平均で約6800台に達した。姉妹車のヴェルファイアは約2700台だから、両車を合計すると約9500台で、コンパクトミニバンのトヨタシエンタを上まわる。

つまり新型エルグランドの売れ行きは、アルファードとの勝負が左右する。そこでエルグランドとアルファードを比べ、エルグランドにあって、アルファードにないものは何か。
動力性能はエルグランドが勝っている。パワーユニットは第3世代のe-POWERで、直列3気筒1.5Lターボエンジンが発電を行い、駆動はモーターが担当する。
駆動方式は前後輪を別々のモーターで駆動する4WDのe-4ORCEのみで、2WDは設定されない。前輪側は205ps/33.7kgm、後輪側は136ps/19.9kgmで、実際の走行で発揮されるシステム最大トルクも50kgmを超えている。
新型エルグランド(プロトタイプ)を試乗したが、発進時も含めて実用回転域の駆動力が高く、速度の上昇も活発だ。動力性能はアルファードのハイブリッドやプラグインハイブリッドを上まわる。
またエルグランドは、アルファードが採用しないショックアブソーバーの減衰力を電子制御で最適に変化させる機能も備える。4輪のショックアブソーバーを独立して制御するため、走行安定性を向上させる効果も大きい。
エルグランドとアルファードを比べると、乗り心地は、両車ともにLサイズミニバンらしく快適だが、走りの上質さという点ではエルグランドのほうが上だ。
その上でエルグランドは、走行安定性を向上させた。ボディが重く、重心も高いLサイズミニバンなのに、峠道のカーブを曲がる時も旋回軌跡を拡大させにくい。ステアリングホイールの操舵角に応じて、正確に曲がることが可能だ。
またLサイズミニバンに、正確に曲がるセッティングを施しながら、後輪の接地性も高い。曲がりやすくしたことの弊害が生じていない。
特にドライブモードをコンフォートにして、カーブを曲がった時の挙動が注目される。
乗り心地を重視してショックアブソーバーの減衰力を下げるため、ボディの傾き方は拡大するが、挙動の変化が穏やかに進むから不安を感じにくい。エルグランドは全高が1975mmに達するLサイズミニバンだが、1650mm前後のSUVに近い感覚で運転できる。


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