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ホンダ直4集合管モデルの誕生と拡がり【カタログは時代を映すバックミラー 第18回】

配信元:WEBIKE
ホンダ直4集合管モデルの誕生と拡がり【カタログは時代を映すバックミラー 第18回】

 1974年12月、市販二輪車として世界初の4into1マフラーを採用した「ドリーム CB400 FOUR」が発売されました。

 バイクファンには”ヨンフォア”の愛称で親しまれ、50年以上経った今でも多くの愛好家に大切にされている名車です。

 ヨンフォアの誕生によって、いわゆる”集合マフラー” ”集合管”の本格的な歴史が始まったといっても過言ではないと思います。

 それでは、ヨンフォアが誕生する前の集合マフラーから振り返ってみましょう。

 
文/高山 正之
 

1972年にヨシムラが手掛けたCB750 FOURレーサー

 アメリカンホンダのディーラー「クラウス社」から依頼を受けて、ヨシムラレーシングが手掛けたCB750レーサーには、エンジンのチューニングに加えて、4into1の集合マフラーが装着されていました。当時としては、二輪車の常識を覆す排気システムに疑問を呈する人も多かったようですが、1972年のデイトナ200マイルで高いポテンシャルを発揮するとレースの世界は一変しました。



#101972年 デイトナ200マイル出場 CB750レーサー(ヨシムラ・クラウスホンダ)#151973年 デイトナ200マイル出場 CB750レーサー(2025年 ホンダコレクションホールにて)



CB750レーサーには4into1マフラーが装着され、隅谷守男選手によって6位入賞

 ロードレースの世界では、4into1が徐々に浸透していきますが、市販車の世界では静粛性や市街地での扱いやすさ、車体とのバランス、そしてスタイリングの観点などから実用化にはいくつものハードルがありました。

 
 
 

1974年、ドリームCB400 FOUR誕生

 同年12月に発売されたドリームCB400 FOURには、斬新でありながら流麗で美しい集合マフラーが採用されました。

 ヨンフォアは、同じ4気筒エンジンを搭載したドリームCB350 FOURのモデルチェンジ版として開発されました。排気系は、350の4本マフラーよりも軽くてコストも低減できそうな集合タイプの開発に挑みました。マフラー製造メーカーの三恵技研工業の協力もあり、見る人を惹きつけるまでのマフラーに仕上げることに成功したのです。

※カタログは個人所有のため、汚れや変色についてはご容赦ください。



1975年3月制作のカタログ表紙  4into1の排気システムが主役です



キャッチコピーの「おまえは風だ。」は、新鮮かつ強烈な印象を与えました



車体色は、ライトルビーレッドと⇒



⇒バーニッシュブルー



4into1システムの特徴を紹介。⇒



⇒出力アップと消音効果を両立



空冷インラインフォアのエンジンと⇒



⇒4into1を全面に押し出したページ



表4は、バックステップとチェンジのリンク部に採用した高級なピロボールについて語っているものと思われます

 
 

第2弾は、CB750 FOURとCB550 FOUR

 1975年6月、4into1マフラーの第2弾としてCB750 FOUR-ⅡとCB550 FOUR-Ⅱが発売されました。



1975年6月発行  CB750 FOUR-Ⅱの表紙には4into1のロゴをあしらっています



集合マフラーモデルには定番となっているアングルです



排気システムの有用性を⇒



⇒解説したページ



青空バックにイエローの車体が映えます。イエローは冒険ともいえるカラーです



前後輪にディスクブレーキを装備し、⇒



⇒安全性の向上を図っています



この時代は、多くのカタログで⇒



⇒三面図が掲載されていました



車体色は、イエローとレッドの2色展開

 CB750 FOUR-Ⅱの価格は、豪華装備などにより、併売していた4本マフラーのCB750 FOURに比べて、73,000円高くなりました。



1975年6月発行  CB550 FOUR-Ⅱの表紙はジェントルなイメージを継承



CB500 FOURの「静かなる男」のコピーは継承されています



タンクには、CB400 FOUR、CB750 FOUR-Ⅱと同じくSUPER SPORTのロゴを採用



エキパイは、CB400 FOURのような⇒



⇒曲線美でまとめられています



各部の説明は、写真を多く使い⇒



⇒分かりやすい構成です



カラーは、ブラックとブルーの2色。価格は398,000円。4into1の機種は、ソリッドカラーで統一しています

 CB550 FOUR-Ⅱは、CB400 FOURのスタイリングイメージを反映していましたが、ユーザーの支持を多く集めることはできませんでした。

 発売4カ月後には、CB550 FOURをマイナーチェンジして発売するなど、当時は4本マフラーにこだわるユーザーの方が多かったようです。このモデルは、FOUR-Ⅱと併売され両モデルともにCB550 FOURシリーズ最後の車種になりました。



1975年10月発売のCB550 FOUR (4本マフラー)

CB750 FOUR-Ⅱのその後

 1975年発売モデルは、ユーザーの反響が芳しくなかったため、よりスポーティなモデルへのチェンジが図られました。

 1977年4月、新たなCB750 FOUR-Ⅱが発表されました。



1977年6月発行のCB750 FOUR-Ⅱの表紙



前後ホイールには、Honda独創のコムスターホイールを装着。マフラーは、メガホンタイプに一新し、750らしい迫力のあるスタイリングになりました

 新型のCB750 FOUR-Ⅱと同時に4本マフラーのCB750 FOURもマイナーチェンジし発売されました。当時のCBファンには、4本マフラーを好む人が多かったのがうかがい知れます。

 OHC4気筒エンジンのCB750 FOURシリーズは、この2車種が最後のモデルとなりました。



1977年4月発売  CB750 FOUR(4本マフラー)

 CB750 FOURは、1979年6月に発売となったCB750Fに発展しました。

 エンジンはOHCからDOHCに刷新されました。

 排気系は、集合タイプながら2本マフラーとなり、4into1は姿を消しました。



1980年4月発行のカタログから 大ヒットモデルになったCB750F

CBRで直4集合マフラーが復活

 1983年12月、プロダクトブランド「CBR」初のモデルとしてCBR400Fが誕生しました。

 高性能DOHC4バルブ直列4気筒の排気系は、4-2-1-2の集合システムで、マフラーは2本出しの仕様でした。



1983年12月発行のカタログより CBR400F

 CBR400Fは、プロダクションレースなどで活躍。ホンダのレーシングテクノロジーを投入したスーパースポーツモデルとして人気を誇りました。

 そして、1985年8月にモデルチェンジしたCBR400F、同エンデュランス、同フォーミュラ3が同時に発表されました。この3機種に採用されたのは、4into1の排気システムでした。

 1974年12月発売のCB400 FOURから数えて、10年後に400ccクラスで集合マフラーが復活したのです。

 以降、CBRシリーズには積極的に4into1の排気システムが採用されています。



1985年8月発売 CBR400F エンデュランス(ハーフカウル装着タイプ)

CBはCB-1で復活

 1989年3月、ネイキッドスタイルの先駆けとして、水冷DOHC4バルブ直列4気筒のCB-1が発売されました。排気系は、4into1システムです。



1989年3月発売 CB-1

 4into1システムは、その後CB400スーパーフォアやCB1000スーパーフォアなどに採用され、ロングセラーモデルとして多くのライダーに支持されました。

 排気系は、人それぞれで好みが分かれますが、直4スーパースポーツ系の定番アイテムといえる集合マフラーは、ヨシムラジャパンさんの発想と挑戦をルーツとして、CB400 FOURによる市販車での成功が現在につながっていると思います。



1974年 CB400 FOUR



2026年 CB400SF E-Clutch

番外編 2気筒集合マフラーのCJ

 1976年4月、2気筒エンジンのCB250T、CB360Tをベースに、2into1システムを採用したCJ250T、CJ360Tが発売されました。

 CJは、カフェレーサースタイルを取り入れ、樹脂製のフロントフェンダーやシート後方にはコンパートメントボックス(リアカウル)を装着しました。

 軽量化のためにセルモーターを取り外しましたが、車両重量では250、360ともにCBよりも2kg重くなりました。

 変速は、CBの6速から5速へと変更し、市街地での扱いやすさを重視。

 価格は、CBよりも1万円以上高くなった結果、販売面では苦戦したようです。

 当時の二輪業界を取り巻く環境は、暴走族などにより悪化する傾向にありました。

 カフェレーサースタイルに欠かせないフラットハンドル(またはセミアップハンドル)やバックステップなどは、行政機関の認可が取得しにくい状況でした。

 このような事情も反映して、CJ250T、CJ360Tは短命モデルとなりました。



1976年発行 CJ250T/360Tと⇒



⇒CB250T/360Tのカタログより



CJのカラーリングは、CB400 FOURをイメージしたソリッドタイプのイエローとレッド。当時のソリッドカラーは安価なイメージがあったと思われます



CB250T/360Tの紹介ページ

 CBシリーズは、タンクのストライプや後方に引き上げられたマフラー、メッキフェンダーなどが、CBの伝統を感じさせますし、安心感もあります。

 1970年代のメーカー発信によるカフェレーサースタイルには、社会情勢などを考慮しながら難しい選択を迫られた形跡を見ることができます。(了)

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/565614/

ホンダ直4集合管モデルの誕生と拡がり【カタログは時代を映すバックミラー 第18回】【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/565614/565689/

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