発進時の加速をサポートする「パワーアシスト」機能を搭載した125ccスクーター「ヤマハFazzio(ファツィオ)」。普段着のようなシンプルなデザインは女性ライダーに好評で、今年4月の発売から50%近いシェアになっているという。そのファツィオに、約20mmシート高が下がるワイズギア製「ローダウンシート」を装着し、市街地を中心に試乗してみた。
シンプルなスタイルには便利な機能が充実

車体の各部にオーバル(楕円)モチーフを取り入れ、ファッションスクーターとしてのカジュアルな雰囲気を演出している。画像のライトブルーのほかに、リーフグリーン、パステルイエロー、ブラックの全4色をラインナップ。
アセアン向けのファッションスクーターとして2022年にインドネシアで発売されたファツィオ。現地ではカスタムも大人気になっているという。国内モデルは今年の4月に初登場。「機能性とファッション性を兼ね備えた普段着のようなシンプルでカジュアルな移動具」というコンセプトで、車体はオーバルをモチーフとしたシンプルなデザインとなっていて、車体色も明るめのカラーが並ぶ。
エンジンは、走行性能と環境性能の高い次元での融合を狙って開発されたヤマハ独自の空冷124cc「ブルーコア」。始動用モーターと発電用ジェネレーター機能を一体化した「スマートモータージェネレーター(SMG)」を搭載し、ワンプッシュでエンジン始動ができる。停車時には自動でエンジン停止し、再発進時にスロットルを回すとエンジンが再始動する「ストップ&スタートシステム」も装備。専用アプリ「Yamaha Motor On」をインストールしたスマートフォンとの連携機能、USB Type-Aソケット、スマートキーシステム、カラビナ型コンビニフックを2カ所に設置など、コミューターとしての便利な機能も多数搭載している。
そうした中でもとくに注目の装備が「パワーアシスト」だ。スマートモータージェネレーターをエンジンの補助モーターとして機能させることで、停車状態からの発進で最大約3秒間にわたって駆動力をアシストする。スロットルを大きく、もしくは素早く開けることで機能し、「停車状態からスロットルを全開にすると、アシストの有無によって30m地点で半車身から一車身程度の差がつく」とは開発スタッフのコメント。
かわいらしさを感じるシンプルな車体デザインと、原二クラス最速レベルのスタートダッシュを兼ね備えたファツィオ。車重は97kgと軽量で押し引きしやすく、シート高は765mmと低く抑えられているものの、フロア部分のスペースに余裕があり、シート着座面を広くとっていることもあって、身長160cm辺りのライダーには足を出しにくいと感じることもあるという。そうした足着き性を改善するために、シート高を約20mmダウンする「ローダウンシート」がワイズギアから発売中。価格は1万1000円で、ブラウンとブラックの2色がラインナップされている。
ファツィオとローダウンシート装着車の足着き性をチェック
ローダウンで取りまわしやすさと安心感はアップ
身長172cmの筆者はノーマルシートで両足をべったり着くことができたので、ローダウンシートによる20mmダウンの差を体感しにくかったのが本音だ。だが、身長156cmの撮影スタッフには効果大だった。
「車体フロア部の幅は変わっていないのですが、足が着きやすくなったように感じました。それと、Uターンなどでシートに座ったまま両足を着いて車体を取りまわそうとすると、ノーマルシートではバランスを崩しそうな不安がありました。ローダウンシートでは地面と接する足裏面積が広くなって車体の安定度も高くなり、パタパタと車体を前進させることができるようになりました。急停止後など、とっさに足を着きやすくなったし、取りまわしやすくもなったので、足着き性改善だけでなく安心感の向上という効果も大きいですね」とのこと。
筆者にとって足着き性向上は体感しにくかったけれど、着座面が下がったことで相対的にハンドル位置が高くなったことがメリットに感じた。ノーマルシートでフロント荷重する際には上半身を前傾させる必要があったのだが、ローダウンシートではハンドル位置が高くなったことで前傾する量を少なくでき、ハンドルを押さえ込みやすくなったように感じられたからだ。フロントタイヤの接地感も伝わりやすくなり、コーナー進入時のブレーキングで安心感が増し、スポーティな走りを楽しみやすくなった。
その反面、クッションの厚みが減少したことで、座り心地は少し硬くなった。着座すると座面が沈み込んで、衝撃吸収性が確保されているのは体感できるが、荒れた路面の衝撃はノーマルシートよりも強めに尻に伝わってきた。ただ、ローダウンシートもシート座面は広く、着座位置を変えることができるので、ノーマルシートよりも尻が痛くなりやすいということはなかった。このワイズギア製ローダウンシートの価格は1万1000円で、カラーもブラウンとブラックを選べる。足着き性を改善したい方には断然おすすめだが、スポーティな走りを楽しみたい方やカラーコーディネートを楽しみたい方にも、コスパのいいカスタム候補として一考してほしい。
「パワーアシスト」のスタートダッシュで街中をキビキビ走る
軽い取りまわしと正確なハンドリングが両立し、かわいらしい外観からは予想がつかない程スポーティな走りを楽しめるファツィオ。そのスポーティさに大きく貢献しているのが空冷ブルーコアとパワーアシストだ。空冷ブルーコアはアイドリング付近から粘り強いトルクが立ち上がり、パワーアシストが機能していなくても、燃費のいい状態である「ECO」の文字がメーターに表示されていても、交通の流れに乗って走ることができる。
その一方で発進時にパワーアシストを機能させると、ブルーコアの加速力にモーターの駆動力がプラスされ、交通の流れをリードするダッシュ力を発揮する。パワーアシストされるのは約3秒間だが、スロットルを開け続けていればブルーコアの加速力は維持され、モーターの慣性力も残るので、その後もスムーズに加速していける。一度、交通の流れをリードする速度に達すれば、車重の軽さと全域で扱いやすいトルクを発揮するブルーコアの特性で、ストレスのないキビキビした走りを楽しめる。また、荷物を積載したり、タンデム走行する機会の多い方には、パワーアシストはスムーズな発進をサポートする機能として実用的に感じられるだろう。
気になる点はブルーコアからの振動を体感することだ。走行中は気にならないのだが、停車中のアイドリングで、ポコポコとした振動が身体に伝わってくるのだ。ただし、詳細な理由は不明だが、リヤブレーキをかけると振動は減少する。さらにアイドリングストップを機能させれば振動はなくなる。対処方法があるので、大きなデメリットではないと個人的には思った。
開発コンセプトのように、シンプルでカジュアルなファッションスクーターとして街中をスムーズに移動できるのはもちろん、ブルーコアとパワーアシストの機能性を活かしてスポーティな走りも楽しめるファツィオ。ローダウンシートで足着き性と取りまわし性が改善されるので、シート高で躊躇していた方にはおすすめしたい。
ヤマハ ファツィオ主要諸元
・全長×全幅×全高:1820×685×1125mm
・ホイールベース:1280mm
・車重:97kg
・エンジン:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒124cc
・最高出力:8.3PS/6750rpm
・最大トルク:1.00kgf・m/5000rpm
・燃料タンク容量:5.1L
・変速機:Vベルト式無段変速
・ブレーキ:F=ディスク、R=ドラム
・タイヤ:F=110/70-12、R=110/70-12
・価格:36万8500円
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/554803/
【試乗】ファツィオの20mm!ローダウンシートで俊足スクーターの取りまわしやすさが向上!【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/554803/554849/






















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