日産が2026年4月に発表した長期ビジョン「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」。AIディファインドビークル(AIDV)を軸とした知能化技術や、商品ポートフォリオの刷新を打ち出したほか、新型エクストレイル/ローグe-POWERやジュークEVを初公開し、さらには次期スカイラインのティザー画像も公開するなど、将来の商品戦略を積極的に示しました。
また、新たな市場アプローチについても示され、日本市場においては、「次世代プロパイロットの導入やモビリティサービスの展開など、先進技術の実証をリードする」とされたほか、2028年度以降にコンパクトカーシリーズを強化し、若年層へのアプローチを通じて、ブランド力と長期的な競争力の向上を図る方針を掲げています。
たしかに、現在の日産の国内ラインアップは、コンパクトカーの選択肢が限られ、かつてのマーチやキューブのような、若い世代が最初の一台として選びやすいモデルが少なくなっています。では、日産は若い世代にどんなクルマを提案すべきなのでしょうか。その姿を具体的に考えてみました。
文:吉川賢一/写真:NISSAN
【画像ギャラリー】若年層戦略の第一歩!?! 日産新型「キックス」(21枚)画像ギャラリー若者向けというなら、まずは「300万円以下」がスタートライン
日産がアプローチを目指す「若年層」とは、年齢だけで区切れるものではなく、初めてクルマを購入する層や、子育てを始めたばかりの若いファミリーなど、ライフステージの異なる幅広い層を含んでいると考えられます。そうした層に向けた商品を考えるうえで、まず重要になるのが価格設定です。
昨今の新車市場で、若年層でも比較的手が届きやすく、日常生活でも使いやすいモデルとして人気を集めているモデルといえば、トヨタ「ヤリス」シリーズのほか、トヨタ「ルーミー」/ダイハツ「トール」、トヨタ「ライズ」/ダイハツ「ロッキー」、トヨタ「シエンタ」、ホンダ「フリード」など。コンパクトカー、トールワゴン、SUV、ミニバンとボディタイプは異なりますが、いずれも扱いやすいサイズと優れた実用性を備え、初めてクルマを購入する人や若いファミリーの有力な候補となっています。
日産ラインアップはというと、2026年6月18日に発売となった新型「キックス」のほか、「ノート」シリーズを揃えてはいるものの、この激戦区を十分にカバーできているとはいいきれません。軽自動車の「ルークス」「デイズ」そして軽BEV「サクラ」もありますが、他社と比べるとエントリーモデルのラインアップの厚みは物足りず、若年層の幅広いニーズに応えられる布陣とはなっていません。
かつての日産には、コンパクトカーの「マーチ」、トールワゴンの「キューブ」、クロスオーバーSUVの「ラシーン」など、手の届く価格帯と扱いやすいサイズを備えながらも、それぞれに強い個性をもったモデルが数多く存在しました。このような「普通だけど、ちょっと面白い」というキャラクターを持った新型車は若い世代が日産を選ぶきっかけになるはずです。
ライバル各車の価格帯を踏まえると、若い世代が購入候補に加えやすいのは、ベースグレードが200万円台前半から選べるモデルでしょう。日産が掲げる「若年層へのアプローチ」を本気で進めるのであれば、300万円前後の手が届きやすい価格帯で、いま支持を集めるカテゴリーに、こうした日産らしい個性を持った新たな主力モデルを投入することが重要になるはず。そこで筆者が考えたのが、次の3台です。






















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