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【試乗】シートとリンクで70mmダウン! WR125Rを安心して楽しめる足着き性大改善術

配信元:WEBIKE
【試乗】シートとリンクで70mmダウン! WR125Rを安心して楽しめる足着き性大改善術

 原二クラスながら高いオフロード性能を発揮する「ヤマハWR125R」。しかし、その本格的な車体ゆえにシート高に躊躇している人がいるのも事実。そんな折り、Webikeプラス取材班は「ワイズギア」製「ローダウンシート」と「ローダウンリンク」を装着し、シート座面を約70mm下げた「WR125R Low」に試乗する機会をゲット! 舗装路とダート路面で「WR125R Low」の走りをチェックしてみた。

文:小川浩康 写真:コイズミユウコ

 
 
 

日常の利便性とオフ走破性を両立した最新トレールモデル



前輪21インチ・後輪18インチと、250クラスと同等のホイールサイズを装着し、高いオフロード性能を発揮するWR125R。シートとリヤサスペンションリンクを「ワイズギア」製に交換し、シート座面を約70mm下げている。

 ヤマハのモトクロス用レーサー「YZシリーズ」のギヤ比を幅広く(Wide Ratio)設定することで、さまざまな場所を走破しやすいオフロード版耐久レーサーとして開発された「WRシリーズ」。その「WRシリーズ」の国内最新モデルが「WR125R」だ。

 水冷単気筒124ccエンジンを搭載した「WR125R」は、ヨーロッパ向けの入門モデルとして2009年に初登場。2019年には、アセアン地域向けに排気量を155ccに拡大した「WR155R」もラインナップ。この「WR155R」をベースとし、日本国内の税制や免許制度などを考慮し、124ccに小排気量化したのが2026年型「WR125R」だ。

 エンジンはロードスポーツモデル「YZF-R125」と基本的に同一だが、最大トルクを1.2kgf・m/8000rpm→1.1kgf・m/6000rpmと発生回転を下げ、低中回転域を多用するオフロード走行向けに最適化。7700rpm辺りで吸気側カムが高回転向けに切り替わる「VVA(可変バルブ機構)」も搭載することで、伸びのある加速性能も実現している。

装備面では、ギヤポジション、ガソリン残量などを表示する液晶メーターを採用。専用アプリ「Y-Connect(Yamaha Motorcycle Connect) 」をインストールしたスマートフォンとの接続にも対応し、街乗りなど日常での利便性を向上している。

 ホイールは前輪21インチ・後輪18インチと250クラスと同サイズを装備し、最低地上高は265mmを確保。ABSはフロントブレーキのみに装備し、オフロードでのマシンコントロール性向上に貢献している。その反面、シート高も875mmと250クラスに匹敵し、足着き性を不安に思う人がいるのも事実だ。

 そこで、ヤマハ車のアフターパーツを開発販売している「ワイズギア」が、「WR125R」用「ローダウンシート」と「ローダウンリンク」を開発。「ローダウンシート」はシート座面を約30mm、「ローダウンリンク」はシート高を約40mm、同時装着で約70mmダウンさせることができる。どちらも純正パーツと交換するだけで、加工することなく装着できるので、純正に戻すこともできる。価格は「ローダウンシート」が1万9800円、「ローダウンリンク」が7700円。



「MT-09」と同形状のLEDヘッドランプ。法規に沿ってポジションランプを装備し、ヤマハのオフロードモデルで初の縦2眼となった。



LEDテールランプは「テネレ700」と同形状。ウインカーは前後バルブだが、視認性は良好。ハザードも装備している。



モノカラーの液晶(LCD)マルチファンクションディスプレイ。ディスプレイ左には各種警告灯を配置している。



専用アプリ「Y-Connect」と接続すると、通話・メール通知、SNS通知、スマホ電池残量が表示される。スマホ側にはライディングログを記録可能。



アップライトなライディングフォームが決まりやすい、ワイドハンドルを装備。ハンドル操作の軽快さにも寄与している。



Φ267mmディスクと2ポットキャリパー。ABSはフロントのみに搭載し、ハイドロリック(油圧制御)ユニットはBOSCH製だ。



スプロケットはYZF-R125/MT-125の52T→59Tへ変更し、低中速域での加速と扱いやすさを向上。前後タイヤはDUNLOP D605。

 
 
 

WR125RとWR125R Lowの足着き性をチェック



ノーマルのシート。オフロードでの扱いやすさを重視し、ボディアクションしやすい形状となっている。クッションが厚くなっている。



座面を30mm下げる「ローダウンシート」。クッションを薄くし、両サイドをスリム化することで足を着きやすくしている。カラーはブラックのみ。



柔らかい乗り心地と高荷重時のすぐれたダンピング性能を両立させるリヤサスペンションリンク。ホイールトラベル187mmを確保。



リヤサスペンションのリンク長を変更することで、シート高を約40mm下げることができる「ローダウンリンク」。



ノーマルのシート高は875mm。ライダーの身長は172cmで、カカトが少し浮いた状態となる。着座面は高いが、ヒザの曲がりに窮屈さがなく、スタンディングに移行しやすい。



両足を着こうとすると、つま先立ちとなる。押し引きでは車重を感じるが、停車では車体が振らつく感じがなく、足着きの不安は少ない。



シート高が約70mm低くなった状態。着座面が下がったことで、ハンドル位置は相対的に高くなった。車体姿勢は尻下がりに感じた。



ヒザを軽く曲げた状態でも、両足の足裏までベッタリ着けるようになる。セロー250並みの足着き性となる。



ライダーの身長は156cm。カカトが浮いた状態となるが、「母指球まで着けるので、シート高はかなり低く感じます。重心も低いので不安は感じません」



両足を着こうとしても、片足つま先立ちになってしまう。「車重が軽ので不安はないでね。着座面が低くなったので、スタンディング移行は一手間かかるように感じます」

 
 

オフロードビギナーが安心してダート走行を楽しめる!



フラットダートや林道ツーリングでは、リンク比を変更したデメリットは感じられなかった。「WR125R」本来の軽快な走破性に抜群の足着き性が加わったことで、ダートライディング時の安心感が大いに高まっている。

 ノーマルシートから「ローダウンシート」、ノーマルのリヤサスペンションリンクから「ローダウンリンク」に変更し、シート高は875→805mmまで下がった「WR125R Low」。シート高は「セロー250」の830mmよりも低くなっている。ただし、「ローダウンリンク」はリヤサスペンションのリンク比を変更することでシート座面を下げていて、シッティングポジションでは、やや尻下がりな車体姿勢に感じる。相対的にハンドル位置も高く感じられるが、前輪の接地感が希薄になったり、フワフワとした操舵感になっていないのは大径21インチフロントホイールの恩恵だろう。直進安定性が高く、ハンドリングはクイック過ぎず少しマイルドな感触で、マシンコントロールがしやすい。そこに足着き性が大幅に改善されたことで、取りまわしやすさとUターン時の安心感が大いに増している。

 舗装路での前後サスペンションの印象はノーマルから大きく変わらず、細かな上下動をしながら路面の凹凸を吸収しているのを感じる。大きめのギャップやダート路面を走行した際も、リヤサスペンションが突き上げられるような感じはなかった。ただし、リヤのストローク量は少なく感じた。ギャップや段差などから大きな衝撃(入力)を受けると、底突きはしないものの、一気に底突き直前までスプリングが入るように感じる。そこからのスプリングの戻りも早く、やや硬い乗り心地になっていると思ったからだ。

 また、「ローダウンシート」はクッション部が薄く、硬さを感じる乗り心地となっている。ただし、シートの前後長には余裕があって着座位置の自由度も高いので、すぐに尻が痛くなることはない。むしろ硬めが好きな人には好印象な座り心地だろう。

 個人的に気になったのは、低くなった着座面と相対的に高くなったハンドル位置の関係だ。シッティングからスタンディングへ移行する際の腰(尻)の移動量が増えるので、ダート走行中にシッティングとスタンディングを何度か繰り返すと、スタンディングへの移行を億劫に思いやすくなったからだ。とはいえ、スタンディングはダート走行でマシンコントロールしやすいポジションが決まり、ペースを上げた際のバランス修正がしやすいので、ダート走行ではスタンディングのままというのもアリだ。また、シート高が70mm下がったことでとっさに足を着きやすくなり、シッティングのままセロー250のように2輪2足でトコトコ走るのもやりやすくなった。「WR125R Low」は、「WR125R」本来の軽快な走破性に、「セロー250」のような足着き性のよさが加わり、ダートライディングの楽しみ方の幅を広げてくれるのが大きな特徴だ。



クイックすぎず、ダルくない、自然なハンドル操作性に貢献する正立フロントフォーク。ストローク量は215mm。



リンク比を変更してシート座面を40mm下げている「ローダウンリンク」。サスペンション特性も変わり、踏ん張り感が強くなる印象。



シートとリンクの合計で70mmダウンを実現。足着き性の大幅改善は、発進停止を繰り返す市街地走行で乗りやすさと安心感の向上になる。

足着きの安心感を後押しする扱いやすいエンジン特性



低中回転域のトルクが粘り強く、ゴー&ストップの多い街乗りや、タイトコーナーの続くワインディングでストレスのない加速力を発揮する「WR125R Low」。抜群の足着き性による安心感、扱いやすいエンジン特性の組み合わせは、スポーティな走りを幅広いライダー層に楽しませてくれる。

 「WR125R Low」のエンジンに変更はないので、特性もノーマルのまま。アイドリングは1500rpmくらいで、トルクは2500rpmから立ち上がり、3000rpmで車体を加速させる実用的なトルクが出てくる。そのトルク自体に厚みは感じないけれど、アイドリングのまま3速発進できる粘り強さがあり、5000rpmまで回せば交通の流れをリードできる加速力も発揮する。6速5200rpmくらいで60km/hに到達し、「VVA(可変バルブ機構)」で吸気側カムが高速側に切り替わる7000~7400rpmまで市街地で回すことはほぼなかった。ちなみに100km/hは6速9000~9300rpmくらいで到達し、70km/h以上でエンジンからの振動を感じるようになった。

 アイドリングから「VVA」が作動する7000rpmまでエンジン回転の上昇はスムーズで、スロットル開度と加速力の増加が自然に(リニアに)感じられるので、全域で扱いやすいエンジン特性としても感じられる。車重は138kgと125クラスとしては軽くはないが、重心位置が低く、車体の左右方向のバランス修正はヒラヒラと軽く行なえる。そして、走行中の直進安定性の高さもあるので、直進からの車線変更や、狙ったラインをトレースしてコーナリングするといったマシンコントロールがしやすい。

 車重とサスペンションの衝撃吸収性は純粋なオフロードマシンには及ばないので、モトクロスコースでの大ジャンプは避けたほうが無難だが、ジャンプのないフラットなダートコースや通行可能な林道であれば、オフロードライディングの楽しさを誰もが感じられる乗り味になっている。さらに70mmローダウンで足着き性が大幅に向上したことで、2輪2足のトコトコ走りも楽しめるようになった。高速道路を走行できないことが大きなデメリットにならないのであれば、オフロードライディングも楽しみたいと思っている人に「WR125R」はオススメの1台だ。そして足着き性で躊躇していた人は「WR125R Low」で、不安なく楽しめるはずだ。「ローダウンシート」と「ローダウンリンク」は、ノーマルパーツに戻すことも可能なので、自分のスキルや好みに合わせてシート高をアジャストすることもできるので、長く乗り込んで楽しめるバイクになっていると思った。



低回転域の粘り強いトルクと高回転域の加速の伸びを両立する「VVA」を搭載。扱いやすいエンジン特性となっている。



車体の重量バランスを考慮して、左出しとなったエキゾーストパイプ。O2センサーを装着し、排ガス規制に適合する燃料供給に寄与している。



足を着きやすくなったので、低速でのオフロードライディングでバランス修正もしやすくなった。クラッチ操作が上達すれば、ダート走破性をライダー自身で高められる。そうしたオフロードスキル養成マシン的な一面も「WR125R」は持っている。

ヤマハWR125R主要諸元

・全長×全高×全幅:2160×840×1195mm
・ホイールベース:1430mm
・車重:138kg
・エンジン:水冷4ストロークSOHC4バルブ124cc単気筒
・最高出力:15PS/10000rpm
・最大トルク:1.1kgf・m/6500rpm
・燃料タンク容量:8.1L
・変速機:6速リターン
・ブレーキ:F=シングルディスク、R=シングルディスク
・タイヤ:F=2.75-21、R=4.10-18
・価格:53万9000円

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/574222/

【試乗】シートとリンクで70mmダウン! WR125Rを安心して楽しめる足着き性大改善術【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/574222/574259/

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