2017年6月19日、トヨタ・アクアは自身2度目となるマイナーチェンジを実施して新型に切り替わった。
ますます激戦が続くコンパクトカーカテゴリーで存在感を増すアクア。はたして新型の実力はいかほどか?
さっそく市街地で試乗してみたので、従来型からの変更点やインプレッションをお届けしたい。
文:ベストカーWeb編集部 写真:編集部、TOYOTA
■あの頃のアクアは「新しさ」の象徴だった
2011年12月26日に発売したアクアは「トヨタ最小のハイブリッド専用車」として華々しくデビューした。
並み居るライバルを蹴散らして公表燃費値は日本一(当時)。発売直後からすさまじい数の受注が押し寄せ、発売後1カ月の受注台数は月販目標台数(1万2000台)の十倍に達する12万台という途方もない記録を樹立。
専用ボディを与えられたコンパクトハイブリッドカーとして、「先進性」と「キュートさ」、そして「買い得感」を高次元で両立させており、月販台数は破竹の快進撃を続けた。
2012年の年間販売台数は26万6567台で年間販売台数ランキング(乗用車部門)2位、2013年は26万2367台で1位、2014年は23万3209台で1位、2015年21万5525台で1位、2016年16万8208台で2位。
累計販売台数は、おそらくこの2017年6月ぶんを足して120万台を超える。そんなアクアが2017年6月にマイナーチェンジを実施した。
主な変更内容を書き出すと、以下のとおり。
◎フロントバンパーやリアバンパーのデザイン変更
◎内装もセンタークラスターをメッキ加飾、ステアリングに一部ピアノブラック採用、シートサイドをツートン化するなどデザイン変更
◎燃費向上
◎足回り変更
◎従来型にあった「X-URBAN」というグレードを見直し「Crossover」というSUV風の新グレードを設定
今回の変更で、「L」は37.0km/L→38.0km/Lに、「S」と「G」は33.8km/L→34.4km/Lに、「Crossover」は(X-URBANの)33.8km/L→34.4km/Lにそれぞれ向上している。
これはベースエンジンの改良(ポート形状変更やエンジンバルブのリフト量アップ、バルブタイミングの最適化等)やハイブリッドシステムの改良(駆動モーターの電流ロス低下や制御の最適化等)、補機電力削減制御など、細かい機能向上の積み重ねで達成できた数字となっている。
また足回りの変更も、非常に凝った新構造バルブを採用したショックアブソーバーの採用やコイルスプリングのバネ定数最適化など、小さな工夫を重ねて乗り心地や安定性を向上させている。
では実際に乗ってみると、これらの変更点に気づくか?
……すまない……。残念ながら本企画担当には、その違いを体感できるほどの「評価力」は備わっていなかった……。
いや乗ったよ? ちゃんとトヨタ東京本社から編集部まで試乗車に乗ってみて、それでもよくわからないからぐりぐりと都内各所を走ってみたよ。それでもわからないんですよ! 従来型との違いが!!
言い訳がましいとは思うが、今回の変更は「ささやかな工夫の積み重ね」であり、それを一般ユーザーが「変わったなー!」と実感するのは難しいだろう。そしてそれにはちゃんと理由があるのだ。
以下、そのことを当サイトなりに説明したい。
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