ともにシステム最高出力306psを誇る、トヨタの2.5L PHEV SUV。だが、低くワイドなクラウンスポーツは走りを磨き、ハリアーは広い荷室と扱いやすさを重視する。価格差やEV航続距離も含め、2台のキャラクターを比べてみたい。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、トヨタ
【画像ギャラリー】パドルシフト標準化はアツイ! クラウンスポーツとハリアーの内外装を比べてみた!(17枚)画像ギャラリー同じ306psでも身のこなしはクラウンスポーツが上だ!!
比較するのは、2026年9月に改良されたクラウンスポーツのSPORT Z(PHEV)と、ハリアーPHEVの2025年6月改良型である。最初に注意したいのは、ハリアーPHEVが2026年8月の一部改良を機に新車ラインアップから外れたことだ。今から購入するなら、販売店の在庫車か中古車が中心となる。
両車のPHEVシステムはよく似ている。2.5L直4エンジンは177ps、フロントモーターは182ps、リアモーターは54psで、システム最高出力は306ps。駆動用バッテリーも総電力量18.1kWhで、電気式4WDのE-Fourを採用する。動力性能だけを見れば、両車はほぼ互角である。
違いを生むのは車体だ。クラウンスポーツは全長4720×全幅1880×全高1570mm。ハリアーは4740×1855×1660mmだから、クラウンスポーツは20mm短く、25mm幅広く、90mmも低い。さらにホイールベースはクラウンスポーツが2770mmで、ハリアーより80mm長い。低くワイドな姿勢と長いホイールベースは、高速域での安定感とコーナリング時の踏ん張りに効く。
クラウンスポーツには後輪操舵のDRSも備わり、最小回転半径は5.4m。ハリアーPHEVの5.7mより小さく、大径21インチタイヤを履きながら街中でも意外に取り回しやすい。操舵に対する反応も軽快で、ドライバーがクルマを操る感覚は明確にクラウンスポーツが上である。
もっと本格的な走りを求めるなら、クラウンスポーツには777万7000円のSPORT RSもある。NAVI・AI-AVSやフロント6ポットキャリパーなどを備えるが、692万7800円のSPORT Zでも306psの加速とDRSは味わえる。公道中心なら、Zでも十分に「走りのクラウン」だ。
荷室と価格はハリアー!! ただし新車では選べない
一方、実用性ではハリアーPHEVに分がある。室内高は1215mmで、クラウンスポーツの1175mmより40mm高い。全幅は25mm狭いため駐車場で気を使いにくく、225/55R19タイヤはクラウンスポーツの235/45R21よりもタイヤの厚みがある。段差での気楽さや乗り心地、交換費用まで考えれば、日常の道具としてはハリアーのほうが付き合いやすい。
最低地上高もハリアーPHEVは190mm、クラウンスポーツPHEVは155mm。その差は35mmあり、荒れた駐車場や深い轍、積雪路での安心感につながる。ラゲージもハリアーは通常時にゴルフバッグ3個を積めるのに対し、クラウンスポーツは約397Lでゴルフバッグ1個が目安。家族旅行やレジャーでは、ハリアーの背の高さと荷室形状が効いてくる。
効率もハリアーがわずかに優勢だ。EV走行距離は93km、ハイブリッド燃費はWLTCモード20.5km/L。クラウンスポーツはそれぞれ90km、20.3km/Lである。差は小さいが、ハリアーPHEVは車両重量がGで1920kg、Zで1950kgと、2020kgのクラウンスポーツSPORT Zより軽い。19インチタイヤも含め、その差が数値に表れている。
価格はハリアーPHEVのGが547万300円、Zが626万100円だった。クラウンスポーツSPORT Zは692万7800円なので、同じZ同士でも66万7700円、Gなら145万7500円も安い。装備をそろえて比較するならZ同士が妥当だが、それでもハリアーのコストパフォーマンスは高い。
ただし、給電機能ではクラウンスポーツが一歩先を行く。両車ともAC100V・1500Wのコンセントを備えるが、クラウンスポーツPHEVは普通充電に加えて急速充電とV2Hにも対応する。停電時に家へ電力を供給したいなら、この差は大きい。
結論は明快だ。ワインディングでの一体感、低く構えたスタイル、最新の先進装備まで含めて選ぶならクラウンスポーツ。荷室、最低地上高、乗り心地、価格を優先するならハリアーPHEVである。ただし2026年9月時点で新車として注文できるのはクラウンスポーツだけだ。ハリアーPHEVに狙いを定めるなら、程度のいい中古車や登録済み在庫を早めに探したい。
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