日本では6歳未満の幼児をクルマに乗せる際に義務付けられているチャイルドシートの使用。そのため、6歳を迎えたら、チャイルドシートを外してしまうという人は少なくないでしょう。
しかしながら、JAFは身長150センチ未満の子どもにチャイルドシートやジュニアシートの使用を推奨しています。厚生労働省の2024年「国民健康・栄養調査」によると、身長150センチは、男女ともおおむね12歳で達する水準。法律上の区切りとは約6年もの開きがあります。
なぜ、使用義務がなくなる年齢と、安全のために推奨される体格にはこれほど差があるのでしょうか。車両のシートベルトが子どもの身体に合わない理由と、チャイルドシートやジュニアシートを外す前に確かめたいポイントを解説します。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_Yuzuru Gima/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】チャイルドシートは6歳で卒業じゃなかった!? 法律は「6歳未満」なのに身長150cmまで推奨されるワケ(7枚)画像ギャラリー6歳になれば外しても違反ではない、でも安全とは限らない
事故や急ブレーキの際に子どもの身体を支え、車内への衝突や車外への放出を防ぐための安全装置であるチャイルドシート(幼児用補助装置)。一般に、新生児や乳児向けの「乳児用」、幼児向けの「幼児用」、成長した子ども向けの「学童用」に分類され、学童用は「ジュニアシート」とも呼ばれます。
チャイルドシートの使用については、道路交通法第71条の3第3項において、「自動車の運転者は、幼児用補助装置を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。」と規定されています。「幼児」については同法第14条第3項において「六歳未満の者をいう」と明記されており、つまりチャイルドシートは6歳になるまでは使用が義務付けられています。違反した場合は「幼児用補助装置使用義務違反」となり、違反点数1点が付されます。
法律上の使用義務が5歳までで終わることから、「6歳になったらチャイルドシートを外し、クルマに装備されているシートベルトを使用すればよい」と考える人は少なくないようですが、6歳未満というのはあくまで法律上の区切り。6歳になったらチャイルドシートを使用しなくても安全というわけではありません。JAFは、150センチ未満の子どもには、チャイルドシートの使用を推奨しています。
【チャイルドシートを外す前のチェックポイント】
・肩ベルトが鎖骨の中央付近を通っている
・腰ベルトが腹部ではなく骨盤の低い位置にかかっている
・背中を背もたれに付けたまま、膝を座面の端で無理なく曲げられる
・走行中も、その姿勢を崩さずに保てる
ひとつでも満たせない場合は、まだ車両のシートベルトが身体に合っているとはいえません。
身体の小さな子どもには車両のシートベルトが合わない
クルマに備わる3点式シートベルトは、事故や急ブレーキの際に生じる大きな力を、鎖骨や胸郭、骨盤といった比較的丈夫な部分で受け止め、車内の構造物への衝突や車外への放出を防ぐための装置です。正しく着用すると、肩ベルトは鎖骨の中央付近を通り、腰ベルトは腹部ではなく骨盤の低い位置にかかります。
ただ、これを身体の小さな子どもがそのまま使用すると、肩ベルトは鎖骨ではなく首に、腰ベルトも骨盤ではなく柔らかい腹部にかかることがあります。この状態で衝突すると、腰ベルトが腹部へ強く食い込み、内臓や脊椎を傷めるおそれがあります。
さらに、お尻が座面を前方へ滑り、身体が腰ベルトの下をすり抜ける「サブマリン現象」が起きると、腹部や脊椎に重い傷害を負うだけでなく、頭部や胸部を前席などにぶつける危険も高まります。シートベルトを着用していても、身体に合っていなければ、十分な保護効果を得られないばかりか、ベルト自体が負傷の原因になりかねないのです。
過去には、チャイルドシートやジュニアシートを使用していなかった7歳と5歳の姉妹が事故に遭い、シートベルトによる腹部の圧迫によって死亡した可能性があると報じられた事例もあります。使用義務のない7歳であっても、シートベルトが身体に合っていなければ、命を守るための装置が致命的な傷害につながるおそれがあります。
JAFが6歳児のダミー人形を使って実験したところでも、走行速度55km/hで正面衝突をした際、チャイルドシートを使用しないでシートベルトを着用していた後席(2列目)のダミー人形は、衝突の衝撃で体が前に押し出されたことで、肩ベルトは首に、腰ベルトは腹部に激しく食い込んでいたとのこと。一方、ジュニアシートを使用していたダミーは、体をしっかりと支え、ベルトが鎖骨や胸郭、骨盤にかかり、衝撃を受け止めることができたとのことです。










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