4本のタイヤすべてに駆動力がかかるのが4WD。これに対して前輪、または後輪のどちらかを駆動するのが2WDだ。現代の公道ではどちらも走っているが、いったいどのような違いがあるのか? 2WD&4WDの利点と難点を見ていこう。
文:長谷川 敦/写真:スズキ、スバル、トヨタ、日産、マツダ、写真AC
【画像ギャラリー】その4WDは宝の持ち腐れかも!? (12枚)画像ギャラリー4WDにはどんなメリットがある?
4WDは、4輪に前進、または後進するための駆動力が加わることを示していて、メーカーによっては「全輪駆動」を意味するAWD(All Wheel Drive)を用いることもあり、特に常に全輪が駆動している方式をAWDと呼ぶことが多い。
状況に応じて4WDと2WDを切り替える機構を持ったクルマはAWDと呼ばれないケースがあるが、この記事ではそこまで厳密ではなく、フルタイム4WDもパートタイム4WDもすべて4WD車として扱う。
4WD最大のメリットは優れたトラクション(=路面をとらえて車体を前に進める)能力にある。
不整路面や滑りやすい路面を走る場合、4輪のうちどれかが接地していれば前進できる4WDは、不安定になりやすい2WDよりも圧倒的に有利になる。
このことから、オフロード走行を想定したクルマには4WDが採用されるのが一般的になっている。
オフロードよりも安定した路面グリップが得られるオンロード(舗装路)では2WDに対する4WDのメリットが薄くなるものの、トラクション性能に関する4WDの優位性がなくなるわけではない。
実際、一般道路よりもグリップの高いサーキットで行われるレースでも走行中のタイヤは滑っているので、混走が許されるのなら、トラクション性能の高さによる走行安定性が得られ、前輪の駆動力も生かした加速性能を発揮する4WD車は2WD車より高い戦闘力を発揮する。
一般道の走行であっても、不整地や滑りやすい路面では4WDの優位性がいかんなく発揮され、発進や加速時の安定性が高まる。
もちろん、メリットがあればデメリットもある。
2WDに比べて複雑な機構になる4WD車は重量が重くなりやすい。
車重の重さは燃費性能を低下させることにつながり、車体を構成するパーツの負担も軽量なクルマに比べれば大きくなる。
機構が複雑で構成パーツが増えるぶん、車体価格が高くなってしまうのも4WD車のデメリットだ。
2WDの利点を考えてみる
地域による違いはあるが、現在、公道を走る一般車のなかで2WDは4WDよりも大きなシェアを占めている。
2WDには前輪駆動車と後輪駆動車があり、こちらの割合では前輪駆動(FF)が70~90%の割合を占めている。
FF(2WD)のメリットは、スペース効率に優れていて、4WDには譲るものの、RWDよりも走行安定性が高いことが挙げられる。
また、エンジンと駆動&操舵システムを運転席より前に集中できるFFレイアウトは、室内と荷室空間に余裕をもたらして実用性も高い。
そして軽量な車体が燃費を向上させ、タイヤやパーツの消耗も4WDに比べると抑えられる。
車体価格が4WDより低くなるのも2WD(FF)の大きなメリットだ。
クルマは決して安い買い物ではなく、なるべくなら安価で購入したいのは多くの人が考えることであり、4WDを買う必要性がないのであれば価格の安い2WDを選ぶのが定石。
前輪ではなく後輪を駆動する2WD車には、フロントエンジンのFRとミッドシップのMR、リアエンジンのRRがある。
このなかで比較的ポピュラーなのがFRだが、それでも特殊な部類に入り、2WDや4WDの選択以前に、スポーツ性の高い操縦性を重視してあえてFRを選ぶ人が多い。
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