郊外のショッピングモールに家族で買い物に出かけたあなた。ガラガラの駐車場にポツンと一台、自身のクルマを停め、買い物を終えて戻ると……「トナラーだ……」。彼らはなぜ、わざわざ誰かのクルマの隣に駐車するのだろうか?
※本稿は2026年9月のものです
構成、文:フォッケウルフ/写真:ベストカー編集部、AdobeStock(トップ画像=Prapat@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2026年10月10日号
なぜわざわざ隣に……トナラーの生態を考える
ドアパンチ被害に遭う要因を考えると、風に煽られてドアが勢いよく開いてしまったり、子どもが気を遣わずにドアを開けてしまった、などの人的要因と、隣の車両の車幅が広くて距離が近かったり、そもそも駐車スペースが狭いといった環境的要因がある。
ただ原点に立ち返ってみると、そもそもクルマが隣に置かれなければぶつけられることもないはずだ。当然、クルマを愛する人たちは、最初からなるべく隣合わないスペースに止めようと心がけていることだろう。
しかし、駐車場が混んでいる場合はしかたないにしても、たくさん停められるスペースが空いているにもかかわらず、あえて隣に停めてくる連中がいる。それが、近年話題になっている「トナラー」である。
周囲にスペースがあるのに、あえて隣に位置取る人のことで、クルマに限らず、電車内や映画館、飲食店、サウナなどにも出没する。
では、なぜトナラーたちはそのような行動を取るのか、その心理を考えてみたい。「自分にもその傾向がある」という数名からも話を聞いた。
まずは「安心感が欲しい」という。まわりに何もないと落ち着かないので、他者の近くにいる、あるいは他車が近くにあることで安心感を得たいというのだ。
運転が苦手な人は隣にクルマがいると停めやすい
次は駐車場に限った理由だが、「目印があったほうがクルマを止めやすい」という意見もあった。白線や空間だけではうまく駐車できないため、隣のクルマを目印にしているという。
さらに、「パーソナルスペースの感覚が狭い」人もいる。たいていの人は他人が近過ぎると不快に感じるものだが、こういう人は他者の存在を不快に感じにくいため、空間の空き具合をたいして気にしない。
最後に「人と同じ条件が好き」という人もいた。出入り口に近い場所、日陰になる場所、誰かが使用している場所と同じがいい、その真似をしたいという気持ちが芽生えるのだという。
もちろんこれらの気持ちを共有する人が存在するというのも理解できるし、愛車に何も被害がなければ問題はない。気にし過ぎるのもあまりよくないだろう。
ただその一方で、隣合う状態を狭苦しく感じたり、人との距離に気を遣っている人がいるのもたしかなのだ。
●「トナラー」の主な心理
・安心感確保と寂しさの回避
・目印があったほうが止めやすい
・他者との距離が近くても気にならない
・真似や同調したいという習性









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