アメリカと中国の摩擦で思わぬとばっちりだ。アメリカで、中国企業から一定以上の出資を受ける自動車メーカーが製造するコネクテッドカーの輸入・販売を禁じる法案を可決したところ、まさかのベンツが含まれてしまったという。
※本稿は2026年9月のものです
文:角田伸幸/写真:メルセデス-ベンツ ほか
初出:『ベストカー』2026年10月10日号
なぜ!? 米中摩擦がベンツに影響
米中摩擦が、ドイツのメルセデスベンツに思わぬ試練を生んでいる。
きっかけは、米上院商務委員会が、中国企業から計15%超の出資を受けるメーカーのコネクテッドカー輸入・販売を禁じる法案を可決したことだ。
狙いは中国製EVやソフトウエアを通じた情報流出、サイバー攻撃を防ぐこと。ところが中国車を締め出すはずの網に、ドイツの名門まで引っかかった。
メルセデス株は、中国の北京汽車集団(BAIC)が9.98%、吉利創業者の李書福氏側が9.69%を保有。合わせて19.67%となり、15%の線を超えるのだ。
両者とも単独では10%未満で、メルセデスは経営を支配したり意思決定へ関与したりする権限はないと説明する。米国では工場や部品会社、販売店を通じ16万人の雇用を支えているだけに、禁じられれば影響は甚大だ。
もっとも法案成立には上院本会議での可決や、下院案との一本化が必要。規制緩和の余地も残る。
経済合理性から進んだ国境を越える資本提携が、安全保障の壁によって自社の首を絞めるとは皮肉な話だ。米中対立の影響は、もはや米中企業だけに収まらない。
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