バスを運転する運転士は法令改正で自転車を意識しなければならなくなり、なかなか大変な運転の日々を送っている。NCD株式会社は、自転車の交通反則通告制度の施行から半年が経過したことを受け、自転車利用者の意識や通行環境を把握することを目的として、同社が運営する月極駐輪場会員を対象に「自転車の交通ルールと通行環境」に関するアンケート調査を実施した。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■交通ルールを守ることが難しいと感じることがある
アンケート調査によると、自転車利用者の82.6%が「交通ルールを守ることが難しいと感じることがある」と回答した。回答は「よくある」「ときどきある」の合計が82.6%で、自転車側との共生はなかなか難しそうな状況だ。
そもそも論だが、自転車の運転者が何らかの運転免許を所持しているのであれば、交通ルールは理解しているはずだ。しかし、自転車は免許が不要なので果たして交通ルールを知っているのかという根本的な問題がある。
左側通行は軽車両でも同じルールだが、大幹線道路で自転車レーンで通行方向もペイントされているのに逆走してくる自転車は多い。通常走行では車と同じルールで走っているが、信号に当たると都合よく勝手に歩行者になって歩道を走り去ったり、横断歩道を渡りだしたりと交通ルールの知識レベルがわからないので、予測不能なのが自動車運転者の悩みでもある。
■「車道が狭い」「車道の交通量が多い」「歩道の方が安全に感じる」
交通ルールを守ることが難しいと感じる理由は、「車道が狭い」が73.2%で最多となった。次いで「車道の交通量が多い」が69.9%、「歩道の方が安全に感じる」が65.9%となり、通行環境に対する不安が上位を占める結果になった。
無理に法律だけを先に改正してしまったので、車道の整備が無理矢理で自転車から見ればどこを走っていいのか分からないというのは理解できる。車道の交通量が多く自転車のすぐ脇を突進していくバスやトラックには恐怖を感じるだろう。
バスも同じで、安全な間隔を空けて通過しなければならないのでが、その余裕がない道路では諦めて自転車の後ろを同じ速度でついていくしかない状況は多い。自転車がバスに気が付いて停止するなり避けるなりしてくれれば通過するが、そういうことはあまりない。その結果は遅延だ。
歩道の方が安全に感じるのは当然で、歩道のある道路であれば歩道側に自転車レーンを設定して警察官が歩道で取り締まりや指導をすれば、車を気にせずに安全に説明もできよう。
■危険を感じた経験がある人は91.9%
自転車での車道走行時に危険を感じた経験について聞いたところ、「よくある」「ときどきある」の合計は91.9%となり、危険要因としては、「車道幅が狭い」が最も多く、次いで「自動車との接触」が続いた。
一方で自転車での歩道走行時に危険を感じた経験については、「よくある」「ときどきある」の合計が45.0%となり、車道走行時の91.9%を大きく下回った。ただし歩道でも約2人に1人が危険を感じており、危険要因は「幅が狭く走りにくい」「歩行者との接触」が上位の回答だ。車道だけでなく、歩道にも安全性に不安があることがうかがえる。
また自転車利用環境の改善に必要だと思うものについては「自転車専用レーンの整備」が83.9%で最も多く、「自転車が安全に走れる道路幅の確保」が83.2%で続いた。いずれも8割を超えており、安全に走行できる道路環境の整備に対するニーズの高さが示された。
これは自動車運転者側も思っていることなのだろう。しかしその狭い自転車通行帯で並走したり、信号に従わず歩道に出て歩行者と接触しそうになったりと、自転車側のルール知識の不足と遵守意識の低さも問題だろう。


