EVならグリルはいらない!? クルマのフロントに“穴”が必要だった本当の理由!

EVならグリルはいらない!? クルマのフロントに“穴”が必要だった本当の理由!

 クルマの「顔」をじっくりと眺めていると、ヘッドランプと並んで印象的なのが、真ん中でドカンと口を開ける「フロントグリル」だ。大小さまざま、目立つものも目立たないものもあるが、このフロントグリルの役割とはなんだろうか?

※本稿は2026年10月のものです
構成・文:フォッケウルフ/写真:ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年11月10日号

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フロントグリルの本来の役割

グリルには、デザイン性、空力のコントロール、センサーの保護なども挙げられる
グリルには、デザイン性、空力のコントロール、センサーの保護なども挙げられる

 そもそもクルマにフロントグリルが付けられた理由は、走行風を取り込んでエンジンを冷やすためだ。

 燃焼や摩擦によってどうしても高熱になってしまうガソリンエンジンは、冷却水を循環させてエンジン本体を冷やしている。この熱くなった冷却水を冷ます役割(放熱機能)を果たしているのがラジエーターだ。

 ラジエーターは細い管と薄い金属のフィンでできていて、ここに走行風を当てることで熱を空気中に放出している。そのため、ボディ前面に大量の空気を取り入れるための開口部が必要になったというわけだ。

 グリルには、走行中に飛んできた石やゴミなどが直接ラジエーターに当たるのを防ぐため、開口部前には自然と格子状の網が備えられるようになった。

 網の形状や模様、大きさなどは長い年月をかけてメーカーごとにさまざま進化したが、時には開口部をバンパー下部にだけ配置し、ヘッドライト間には穴を設けない“セミ”グリルレスデザインも生まれた。

では“RRやMRのモデル”はグリルレスだったのか?

エンジンが前方ではないためグリルレスなフォルクスワーゲン タイプ1(ビートル)
エンジンが前方ではないためグリルレスなフォルクスワーゲン タイプ1(ビートル)

 このような流れのうえで、現代ではEVが多く販売されるようになってきたが、当然、エンジンを搭載しないEVではフロント前面から風を取り入れてラジエーターを冷やす必要がない。そのため、グリルの大穴を塞いだグリルレスデザインが増えているのだ。

 エンジンがボディ後方や中央に搭載されるRRやMRでも、ラジエーターが車体前方に搭載されるものは、床下のパイプを通して後方のエンジンまで冷却水を循環させている。

 ただし、エンジン自体が前方にないため、フロントデザインの自由度が大幅に上がっている。

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