人気の軽SUVにダイハツが殴り込み! 新星「タフト」と王者「ハスラー」、それぞれの長所と個性は?
今人気の高いカテゴリーは軽自動車とSUVだ。この2つの要素を併せ持つタフトとハスラーは、注目度が抜群の2車種になる。ダイハツのタフトは6月10日に発売。先駆者であるスズキ ハスラーとともに軽SUVが盛り上がりをみせている。
そこで、両車を真っ向から比べた。比較すると、同ジャンルながら意外にも個性が異なり、その長所は明確に異なる点も非常に面白く、またユーザには選びやすいともいえそうだ。
文:渡辺陽一郎/写真:池之平昌信、中里慎一郎
【画像ギャラリー】どちらを選ぶ!? 軽SUVの新星タフトと王者ハスラー! 両車の魅力を写真でチェック!!
■インテリアと居住性、荷室と収納では「王者」ハスラーが有利か!?
●内装のデザイン/質感/操作性/視認性比較
軽自動車だから、全長3395mm、全幅1475mmは共通だが、全高は異なる。ただし床面とアンテナの形状が違うため、全高は異なるものの、室内高の数値は両車とも1270mmで等しい。車内の広々感に大差はない。
内装の質も同程度だが、ハスラーはインパネにオレンジ/ブルー/ホワイトのフレームを3つ並べており、遊び心を感じさせる。
ここはハスラーに軍配をあげたい。
●前後席の居住性比較
前席の座り心地は両車とも同等だ。背もたれと座面のサイズに余裕があり、肩まわりを含めてサポート性も良い。座り心地にボリューム感を持たせた。
後席は、ハスラーの場合、背の高い軽自動車では平均的な座り心地だ。タフトは座り心地が悪い。大腿部と座面の接する部分が短く(ハスラーを少なくとも30mmは下まわる)、座面の前端が硬めで角度を少し持ち上げたから、大腿部に違和感が生じた。
後席の背もたれは、タフトでは角度が立ち気味になる。ハスラーはリクライニング機能を装着したから、着座姿勢を変えやすい。
足元空間の広さも違う。ハスラーは後席にスライド機能を装着したから、後端まで寄せるとスペースを拡大できる。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ3つ半だ。
タフトの後席にはスライド機能が装着されず、膝先空間はハスラーと同じ測り方で、握りコブシ2つ少々にとどまる。タフトでも4名乗車は充分に可能だが、広々感は乏しい。前後席に座る乗員同士の間隔も、ハスラーは1035mmだが、タフトは900mmだ。
このようにタフトは、シートアレンジを単純にして、車内の後部を荷室と割り切った。車内の色彩も前席はブラック、後席はグレーに分けられ、ドアハンドルのメッキも省いた。
細部の機能や仕上げの差で、ハスラーの勝利!
●荷室と収納設備比較
両車ともに荷室の広さは同程度だ。ハスラーが後席のスライド位置を調節して、タフトと同等に合わせると、似たようなスペースになる。路面からリアゲート開口下端部までの高さは、タフトが720mmでハスラーは710mmだ。これも同程度になる。
ただしN-BOXの470mm、タントの580mmに比べると高めだ。最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)はタフトが190mm、ハスラーは180mmと余裕があり、デコボコを乗り越えやすい代わりに荷室の床が高まった。それでも700mmを超えると重い荷物を載せにくい。
特にタフトは車内の後部を荷室と割り切ったので、荷室床面の高さはもう少し抑えたい。
収納設備はタフトも豊富だが、フタの付いていないトレイが多い。前席の中央には、電動パーキングブレーキスイッチが収まるセンターコンソールを配置したが、上部のトレイは浅い。もう少し深さのあるボックスが欲しい。
その点でハスラーは収納設備も充実する。売れ筋の「ハイブリッドX」であれば、助手席の前側に、上からフタの付いたアッパーボックス/トレイ/グローブボックスを装着した。助手席の下側にも大容量のボックスが備わり、ハンドルが付いているから車外に持ち出せる。
割り切りのタフトに比べて、充実のハスラーの勝利。
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