新星タフト対王者ハスラー全10項目で見る「一長一短」 割り切りか基本性能か!? 

■走行性能では「新星」タフトが一矢報いるか!? 乗り心地では互角?

●動力性能&加速フィーリング比較

タフトのエンジンルーム。市街地での走行に適した実用回転域の駆動力はハスラーよりも実用的だ

 ノーマルエンジンはタフトが優れている。街中の走りで多用する実用回転域の駆動力が高いためだ。

 ハスラーのエンジンは、高回転域の伸びは良いが、実用域はタフトに少し負ける。タフトのノーマルエンジン車場合、CVTが発する高音のノイズは少し耳障りだが、ハスラーも静かではない。

 ターボエンジンは、両車ともに最大トルクがノーマルエンジンの1.7倍に増強されるので、動力性能は十分だ。主にノーマルエンジンで差が生じた。

 実用面に重きを置いたタフトの勝利としておこう。

走行安定性比較

走行安定性は両車とも優れているが、曲がりやすさという面ではタフトが有利だろう

 両車とも全高が1600mmを超える軽自動車として、走行安定性は優れている。操舵感も自然な印象だ。

 その上で比べると、操舵に対する反応はタフトが少し上まわる。車両の向きが適度に変わり、峠道なども走りやすい。

 ハスラーは全高が50mm高いこともあり、操舵感は若干鈍い。後輪の接地性は、安定性を維持する上で重要だから両車とも満足できるが、曲がりやすさに違いがある。

 自然で軽快な操舵感を持つタフトの勝利だ。

乗り心地比較

タフトをドライブする。両車とも車高が高く、運転していても視界がよく安心感がある

 乗り心地は両車とも似ている。50km/h以下では、路上の細かなデコボコを伝えやすい。その代わり大きめの段差を乗り越えた時の突き上げ感は抑えた。

 タイヤサイズは、両車とも15インチだが扁平率は違う。タフトは165/65R15で、ハスラーは165/60R15だ。タイヤサイズでは、タフトが乗り心地で少し有利になる。

 試乗車が装着していたタイヤの銘柄は、タフトがヨコハマ・ブルーアースAE30で、ハスラーはダンロップ・エナセーブEC300+だ。指定空気圧は、両車の前後輪ともに240kPa。このあたりが今の軽自動車の標準的な仕様になる。

 甲乙付け難い。ここは引き分けとしておこう。

■安全・快適装備ではタフトに若干歩があるか? 燃費では王者ハスラーが勝利!

安全装備&運転支援機能比較

タフトは全車にLEDヘッドライトを装備。安全装備や運転支援に力を入れるのは後発車の強みだろう

 両車とも衝突被害軽減ブレーキを装着して、昼夜ともに歩行者も検知する。タフトは自転車も検知対象に含めた。

 ヘッドランプは、タフトでは全車がLEDを採用して、「G」と「Gターボ」にはアダプティブドライビングビームも装着した。

 ハイビームで走行中に対向車などを検知すると、ハイビームの視界を保ちながら、必要に応じて複数備わるLEDを部分的に消灯する。そのために良好な視界を損なわずに、相手車両の眩惑を抑えられる。

 運転支援機能は、両車とも車間距離を自動制御しながら、設定速度の範囲内で先行車に追従走行する機能を採用した。タフトはパーキングブレーキが電動式だから、停車するまで追従を保ち、停車時間が長引いた時にはパーキングブレーキを自動的に作動させる。

 ハスラーも全車速追従式だが、パーキングブレーキは足踏み式だから、長時間の追従停車はできない。停車後約2秒を経過すると再発進してしまう。

 より細やかに運転を支援するタフトの勝利!

快適装備比較

タフトは全車にガラスルーフを装備。これだけでタフトに軍配をあげたくなる爽快感だ

 タフトは全車にガラスルーフのスカイフィールトップを標準装着した。LEDヘッドランプや電動パーキングブレーキも全車に標準装着して、価格が最も安い2WD「X」は135万3000円だ。

 ハスラーで最も安価な2WD「ハイブリッドG」は、ヘッドランプはハロゲンでパーキングブレーキも足踏み式、ガラスルーフは装着されないが価格は136万5100円だ。タフトは各種の装備を充実させながら価格を割安に抑えた。

 爽快感を味わえるガラスルーフは魅力だ。タフトの勝ち!

燃費性能比較

 両車のWLTCモード燃費を2WDで比べると、タフトのノーマルエンジンは20.5km/L、ターボは20.2km/Lだ。ターボには、CVT(無段変速AT)の変速幅をワイド化したD-CVTが採用され、燃費数値はほぼ同じになる。

 ハスラーはノーマルエンジンが25km/L、ターボは22.6km/Lだ。マイルドハイブリッドの採用もあり、ハスラーは燃費数値が優れている。

 ここは王者の風格といったところか。ハスラーの勝利!

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