日本市場は先進国のためクルマに対する要求値が高い、ボディサイズが一定以上大きいと使いにくいなど、特殊な面があるだけに世界的に販売されるモデルでも導入しにくいことが多々ある市場である。
しかし、日本で販売されない日本車を見ると「少し手直しすれば日本でも売れそう」と感じるモデルもある。本稿ではそんな海外専売車のなかで国内にも適した要素を持つクルマを紹介したい。
文:永田恵一/写真:トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、三菱自動車、スズキ
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■欧州販売のトヨタ カローラツーリング「スポーツトレック」
カローラツーリングスポーツトレックは、欧州で販売されるカローラのステーションワゴンに、20mmの車高アップやフェンダーに着く樹脂製のオーバーライダーに代表される外装パーツを加えるなどしたクロスオーバーだ。
クルマ自体が欧州で販売されるカローラのステーションワゴンのため、ボディサイズは全長4670mm×全幅1805mm×全高1455mmと、日本専用サイズとなるステーションワゴンのカローラツーリングに対し、全長が175mm、全幅も60mm大きい。
パワートレーンは1.8Lと2Lのハイブリッドで、駆動方式はFFのみとなる。
カローラツーリングスポーツが「日本でも売れそう」と感じる理由としては、まずミドルクラスのステーションワゴンのクロスオーバーは、VWゴルフのオールトラックくらいしか浮かばず、日本では空白となっている点がある。
また、ボディサイズも日本専用サイズとしたカローラツーリングと矛盾するようだが、カローラツーリングスポーツトレックくらいであれば問題もなく、かつてあったアヴェンシスの後継車としての需要も期待できるかもしれない。
もし生産されるイギリスからの輸入という形でも日本導入が叶うのなら、最低地上高を現在の155mmから180mm程度に上げてクロスオーバー色を高め、4WDも設定してほしいところだ。
■インド生産の日産 マグナイトはクオリティや安全装備面で日本導入は期待薄?
マグナイトは7月にインドでコンセプトカーが発表された、2020年度内にインドでの生産という形でデリバリーが始まるコンパクトSUVである。
そのため現在明らかとなっているのはスタイルだけだが、クルマ自体はルノーがインドで販売しているトライバーというコンパクトSUVの兄弟車となることが有力視されている。
トライバーからマグナイトを想像すると、トライバーは全長3990mm×全幅1739mm×全高1643mmというボディサイズで7人乗り3列シートだが、マグナイトは通常の2列シート車となるだろう。
また、トライバーのパワートレーンは、1L・3気筒NAに5速MTと5速MTのシフト操作とクラッチ操作を自動化した「イージーR」と呼ばれるAMTで、駆動方式はFFのみだ。
マグナイトはまず全幅こそ3ナンバー幅となるものの、全長4m以下という日本で大人気となっているトヨタ ライズ/ダイハツ ロッキーとほぼ同じコンパクトなボディサイズが大きな魅力だ。
また、トライバーのインドでの価格は最上級グレードで72万2000ルピー(日本円で約102万円)と非常に安い。
おそらくマグナイトの日本導入はクオリティや安全装備、ATなど難しい面が多いだろう。
しかし、170万円程度の価格でいいから日本人が納得できるクルマとすれば、現在1クラス上のキックスの価格がハイブリッドのe-POWERのみで、間口が狭いものとなっていることもあり、マグナイトが日本に導入されればエントリーSUVとして面白い存在となるのではないだろうか。
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