海千山千の評論家たちによる、限界領域ギリギリのテストドライブもちろんいいが、より「ふつう目線」で試乗してみたら、見えてくるものもあるのではないだろうか。
そんな趣旨ではじまった、ベストカー本誌にて地味ーに人気らしい(?)「よってたかって評価する」。今回はヒット街道爆走中のダイハツ ロッキーにスポットを当てる。
ありそうでなかったこのサイズ感のSUV。はたして試乗の感触は? 夏の間に試乗に行ってみようかなーなんて考えている人たちの参考になれば幸いだ。
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※本稿は2020年7月のものです
文・写真:ベストカー編集部/撮影:茂呂幸正
初出:『ベストカー』 2020年8月10日号
■ロッキーG(2WD)ってどんなクルマ?
トヨタのTNGAと同様の思想を持つDNGAコンセプトのもとに作られたSUVで、プラットフォームはコンパクトカー用の「DNGA-A」。エンジンは98ps/14.3kgmを発生する1Lの直3ターボを積む。
今回借りたGグレードは、LEDフォグランプやアダプティブドライビングビーム、全車速追従型アダプティブクルコンなどを装備した高級グレード。
■編集部イイボシはこう見た!
ロッキーは「キャラクター商品」だと思った。弱点はあるけど、安いし楽しそうだし、「ま、いっか」となるタイプ。
下道では感じないが、首都高を走るとステアフィールが曖昧でわかりにくいし、エンジンもトルクはあるけど速度調整がしにくい。また、ACC(アダプティブクルーズコントロール)の制御もイマイチ。
でも、それはぬいぐるみ相手に「人間味がない!」とか言ってるようなもんで「評価すべきはそこじゃないでしょ」という話。
小さく扱いやすいうえに、室内は広くて悪路だって入っていける。つまり、このクルマがあると誰かと遊びに行きたくなる。それ以上、何を望むのかということです。
ほかに競合車がないのもいい。5ナンバーサイズ4ドアの、SUVらしいSUVはこれしかない。この強みと楽しげな雰囲気を前に、細かな弱点を突つくのはどうなのかという気がしてくる。欲しい人は迷うことなし。お薦めです。
・パワー感: ★★★☆☆
・ハンドリング:★★☆☆☆
・お買い得度: ★★★★☆
■編集部ワタナベはこう見た!
いや、正直まいりましたね。編集部周辺の市街地を走っただけなんだけど、急な勾配で名高い小日向の坂道をグイグイと登っていくのには思わず驚愕。
今年3月に一度だけ姉妹車のライズZ(FF)に乗ったことはあったんだけど、今回改めてロッキーに乗ってみて、この直3、1Lターボのミョーなパワフル感を再認識させられた次第。
そういえば、とある輸入SUVの試乗会でベストカーおなじみの自動車評論家、鈴木直也氏がロッキー/ライズについて、「コンパクトサイズSUVのなかでも、“ちょうどいいブスっぽいSUV”がウケているのよ」と言っていた。
う~ん、プラスチッキーな内装とヒョコヒョコした乗り心地をも凌駕する、ロッキーのキャラ立ち度はまさしくお笑い芸人「相席スタート」の“ちょうどいいブス”、山崎ケイを彷彿とさせるわぁ~。
・パワー感:★★★★☆
・ハンドリング:★★★☆☆
・お買い得度:★★★★★
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