2020年7月、日本に上陸を果たしたVW(フォルクスワーゲン)の新SUV T-Roc。従来からのTiguan、2月から導入されたT-Crossとともに「SUV3兄弟」を形成した形だ。
全長はTiguanが4500mm、T-Rocが4240mm、T-crossが4115mm、全幅は同様に1840mm、1825mm、1760mmとなっている。3兄弟のなかでは真ん中に治するT-Roc。ちなみにダイハツ/トヨタのロッキー&ライズが全長3995×全幅1695mm、C-HRが全長4385mm×全幅1795mmなので、こちらも全長的にはその間に位置すると考えるとわかりやすいだろうか。
価格は384万9000円から(ちなみにライズは167万9000円から、C-HRは273万円からだ)。その価格に見合うだけの実力はあるのか? 試乗の様子をお届け。
【画像ギャラリー】ツートンの青と白が街に映える!!! T-Roc試乗の様子をギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年7月のものです
文:清水草一/写真:VW、ベストカー編集部/撮影:平野 学
初出:『ベストカー』 2020年8月26日号
■外見は都会派。でも得意は街乗りより長距離移動?
VWは、SUVのラインナップが手薄だった。日本ではティグアンのみだったんだから。
今年2月にポロベースのT-Crossが追加されたけど、それでようやく2モデル。アウディは上から下まで5モデルが揃い踏みなのにナゼ? って感じですね。
というわけで、遅まきながらゴルフベースのT-Rocが追加された。サイズ的にはティグアンとT-Crossのちょうど中間。
全幅1825mmは、日本ではちょっと大きいかなって気もするけど、全長は4240mmしかなくて、C-HR(4385mm)よりずっと短い。SUVとしては結構コンパクトだ。
T-Roc最大のウリは、この手ごろなサイズと都会的なルックスだろう。
VWというと、ちょっと野暮ったいイメージもあるけれど、T-Rocは明らかに垢抜けていてオシャレっぽい。
特にオプションの2トーンカラーだと、泥の香りは完全にゼロ。内装にも外装色のパネルを多用して、ステキなファッションアイテムに仕上げている。4WDの設定がない点も、まさに都会派です。
エンジンは、とりあえず2Lディーゼルのみ。
弟分のT-Crossは1Lガソリンターボのみで、それで充分痛快に走るのに、兄貴分がいきなり2Lディーゼルってのはずいぶん極端な……とも感じるが、おかげでキャラ分けは明確だ。
T-Crossは主に街乗り用、T-Rocはロングドライブの友。イメージとしてはそうなります。
で、実際走ってみると、まず「えっ!?」となるのが出足の意外な鈍さ。極太トルクの2Lディーゼルなのにナゼ?
おそらくこれは排ガス対策なんだろう。VWはディーゼル排ガスでものすごく痛い目に遭ったので、石橋を叩いて渡ったのか。
アウディの最新の2Lディーゼルも、スペックは違っても同じ傾向なので、これはもう諦めるしかないのかもしれない。
回転が1800rpmあたりまで上がれば、どっからでも充分なトルクが出るんだけど、Dレンジだとなかなかそこまで上がらない。右折待ちからの加速などではモタつきを感じてしまうことも……。
そんな時は、ATのレバーを一度引いて、Sレンジに入れれば完全に解決。34.7kgmのトルクで、いつでもどこでもグワッと背中を押してくれる。
ただ、いちいちSレンジに入れなきゃいけないのがちょっと面倒なんだよね。
そんなこと面倒臭がるな! と言われても、つい忘れて「モタ→イラッ」としてしまいそうだ。街乗りメインで使うなら、ガソリン車の投入を待つのもアリかも。
乗ったのがド新車だったせいもあって、足回りはスポーティでカッチリした印象だった。
走るにつれて馴染んで、もうちょいしなやかになるんでしょう。いいクルマだとは思います。
■VW T-Roc TDI Style Design PKG諸元
・全長:4240mm
・全幅:1825mm
・全高:1590mm
・ホイールベース:2590mm
・車両重量:1430kg
・エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
・総排気量:1968cc
・最高出力:150ps/3500-4000rpm
・最大トルク:34.7kgm/1750-3000rpm
・ミッション:7速DSG
・WLTCモード燃費:18.6km/L
■VW T-Roc価格表
・TDI Style 384万9000円
・TDI Style Design PKG 405万9000円
・TDI Sport 419万9000円
・TDI R-Line 453万9000円
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