SUVブームもあり、そのなかでも現実的な価格、サイズと見た目のバランスのよさなどの要素が揃ったミドルSUVは以前から激戦区だった。
そこに最近新型ハリアーが加わり、その様相はさらに混沌としていて、その動向が気になる。新型ハリアーのライバルとなるSUVを直接的なもの以外も含めたちょっと変わった視点で比較してみた。
文:永田恵一/写真:TOYOTA、MAZDA、LEXUS、奥隅圭之、ベストカー編集部
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オーソドックスなライバル対決/マツダCX-5
■新型ハリアー
・全長4740×全幅1855×全高1660mm、ホイールベース2690mm
・ガソリン:299万~443万円
・ハイブリッド:358万~504万円
■CX-5
・全長4545×全幅1840×全高1690mm、ホイールベース2700mm
・ガソリン:261万8000~365万2000円(特別仕様車除く)
・ ディーゼル:293万7000~365万7500円(特別仕様車除く)
CX-5は「マツダ新世代のスカイアクティブテクノロジーをフルに盛り込んだ第一弾」となるオーソドックスなミドルSUVとして2012年に初代モデルが登場。
特に静か、パワフル、イニシャルコストも燃料コストも安いディーゼル車が人気となり、マツダ躍進のトップバッターとして大成功を収めた。
現在は2017年登場の2代目モデルに移行しており、初代モデルからのキープコンセプトの2代目モデルも全体的に堅実な完成度の高いミドルSUVだ。
矛盾するようだが、CX-5の直接的なライバルはRAV4のほうが近いのも事実ながら、それはさておき、まずガソリン車を比べる。
正直なところCX-5の2.5Lはターボも含め強い魅力はない。2Lに関しては261万8000円からという、新型ハリアーに対し約40万円安い価格が目を引く。
2.2Lディーゼルターボは、街乗りの多い人には低負荷で使われることが多いと煤が溜まりやすいなどの難点はある(その場合はCX-5に限らず安価なガソリン車を買えばいい)。
しかし、走行距離の多い人などなら、静かかつ低回転域からの太いトルクに加え高回転域まで衰えない力強さを持ち、さらに軽油の安さもあり燃料コストは新型ハリアーの2.5Lハイブリッドとイーブンという、ハリアー相手でも勝負できる魅力を持つ。
それでいてCX-5の2.2Lディーゼルターボのスタート価格は293万7000円と、ハリアーのベーシックな2Lガソリンより若干安い。
オマケに最近CX-5にはベーシックグレードにぜひ欲しい安全装備を加えたスマートエディションという特別仕様車が加わり、スマートエディションは2Lガソリン/265万1000円、2.2Lディーゼルターボ/297万円(FF車)と一層お買い得感が強い。
総合すると新型ハリアーのスタイルや雰囲気も魅力だが、CX-5のコストパフォーマンスも捨てがたく、この勝負は特別仕様車を追加した点も評価して引き分けとする。
なお、マツダのSUVなら3列シートSUVというジャンルに注目が集まるきっかけとなったラージSUVのCX-8も、車格が上ながら新型ハリアーと迷える価格のグレードが揃っている。
「3列目シートの使用頻度が少なくSUVとミニバンを兼ねたクルマが欲しい」という人などは、検討する価値はある。
■CX-8
・全長4900×全幅1840×全高1730mm、ホイールベース2930mm
・ガソリン:261万8000~458万9200円(特別仕様車除く)
・ディーゼル:382万8000~467万600円(特別仕様車除く)
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