高温化でバーストの危険性アップ!! 夏だからこそ気を付けたいタイヤの安全チェック


 アスファルトの温度が60℃を超える真夏日がやってきた。そんな劣悪なコンディションで、路面と接しているのはタイヤだ。そのタイヤが劣化していると、高温下の高速道路を走行している際などにバーストする危険性がある。

 夏の行楽シーズンに、高速道路の端でクルマを止めているのをよく見かけるだろう。JAFの出動件数でも高速道路のバーストは断トツ1位となっている。

JAFがまとめた2019年度のロードサービス出動理由TOP3がコチラ。タイヤへの負荷が大きい高速道路では、パンクやバーストが最も多いトラブルとなっている

 そんなバーストを防ぐために、タイヤのどのようなことに注意するべきか? バーストがいかに危険なものか? バーストの予兆はあるのか? バーストをしないために日ごろからやっておきたいタイヤのチェックポイント、について解説していきたい。

 日ごろの点検においても、ぜひ参考にしてもらえたらと思う。

文/斎藤聡
写真/Adobe Stock(batuhan toker@Adobe Stock)、編集部

【画像ギャラリー】タイヤとうまく付き合うために日ごろからチェックしたい6つのポイント!!


■実は珍しいトラブルではないタイヤの損傷

 バーストなんて、うちのクルマは関係ないと思っているあなた。じつは、バーストはそれほど珍しいトラブルではないんです。空気圧不足、タイヤの劣化、タイヤの損傷などが原因で簡単に……とは言いませんが、バーストしてしまうことがあるんです。

 しかも、バーストすると通常のパンクとは異なり、急激にタイヤの空気がなくなったり、タイヤがバラバラに分解してしまったりするので、唐突にクルマの進路が変わったり、強くハンドルを取られたり、後輪なら突然リヤが滑り出したりします。

 そのため道路からの逸脱や転倒といった、かなり深刻な事態になることも考えられます。

高速道路で見かけるパンクやバーストによる故障車。運がよければタイヤが損傷した程度で収まるが、姿勢を崩し中央分離帯に衝突や、スピンして後続車のくる本線上に停車……といった最悪のケースも発生する(naka@Adobe Stock)

 予兆らしきものもないわけではありませんが、すべて同じように予兆が起こるわけではありません。たいていの場合は、ハンドルが突然重くなったり、ハンドルやクルマが強くブルブル震えたり、ガーとかゴーといった音が出たり、音とともに減速感が強くなったり、という、音や振動の前触れがあることが多いようです。

 こうした状況になったら、走りながら原因をあれこれ考えるのは最悪の対応です。こうした症状は、バーストではなかったとしても深刻なトラブルの可能性が高いので、クルマを脇に寄せながら減速します。減速が先か、脇に寄せるのが先かはケースバイケースです。

 ……というようなトラブルに見舞われないように、とりあえず、あなたのクルマのタイヤをチェックしてみてください。

■チェックしたいタイヤの製造年週 使ってないタイヤほど危険度アップ

 チェックしてほしいのは3点。タイヤの製造年週と空気圧、タイヤの傷みの有無です。

 製造年週は、写真のようにタイヤの側面に書かれている4ケタの数字を見つけてください。読み方は、最初の2ケタが製造週、後の2ケタが製造年です。このタイヤの場合0519となっていますから、2019年5週目に作られたタイヤということを示しています。

「BNH0519」とタイヤに刻印されているのがわかる。最初の2ケタが製造週、後の2ケタが製造年となる

 で、特に注意が必要なのは、4年前以前に作られたタイヤです。今2020年7月ですから、製造年が2016年以前のタイヤは特に注意が必要です。もちろん2016年製以前のタイヤのすべてがダメということではありません。けれどもタイヤは生ものなので、時間の経過とともに劣化します。その分危険性も高いということです。

 タイヤの劣化で危険な要因となるのがひび割れです。サイドウォールやトレッドの溝の底に、乾いた感じの深めのひび割れはありませんか。あったらなるべく早くタイヤ交換することをお薦めします。

 不思議なことですが、毎日乗っているタイヤのほうが、あまり乗らずにいるタイヤよりも劣化は少ないのです。タイヤのゴムはある程度動いていたほうが劣化は起こりにくいのです。

 以前どこかで書いたかもしれませんが、3年間ディーラー店内で展示されていたクルマで走りに出て、キャッツアイを踏んだ瞬間タイヤがバーストしたことがあります。

縁石やキャッツアイに乗り上げると、最近装着が進む低扁平のタイヤはサイドウォールが薄いため、タイヤにもホイールにもダメージを受けやすい。このダメージがバーストの原因となる(琢也 栂@Adobe Stock)

 タイヤのゴムが劣化すると柔軟性がなくなってしまいます。新しいタイヤなら、もしかしたらこの程度の屈曲には耐えられたのかもしれません。けれどもタイヤが劣化すると耐え切れずあっさりタイヤ側面が切れ、バーストしてしまうことがあるんです。

 話が逸れましたが、ともかく装着して4~5年くらい経過したタイヤは、多少なりともタイヤのゴムが劣化し柔軟性が落ちていることは間違いありません。
製造年週をチェックしたら、次はタイヤのサイドウォールやトレッド面のチェックをしましょう。

 製造年週の刻印を探すのにタイヤの側面をチェックしたと思いますが、この時、ひび割れだけでなく、コブのような膨らみはないかどうかも確認しましょう。これはタイヤの中のカーカスコードが切れて、中の空気がゴムを膨らましているのです。

 キャッツアイを踏んでバーストした話とも関連するのですが、高めのキャッツアイを、スピードを落とし切らずに踏んでしまうと、キャッツアイとホイールリムにタイヤが挟まれ、中のカーカスコードにダメージを与えてしまうことがあるんです。50、45、40偏平タイヤが普及するようになって急激に増えたトラブルです。

 こうなったら、すぐにタイヤを交換することをお薦めします。

 トレッド面も見ておきましょう。新しいタイヤではめったに起こりませんが、トレッド面が大きく凸凹に変形しているタイヤをまれに見かけます。これはセパレーションといって、タイヤ内部でカーカスとトレッドが剥離してしまっている可能性があります。そうこうしているうちに、突然トレッドがベロンと剥がれ、カーカスコードが露出。悪くするとバーストにつながります。

バーストがどのように発生するのかJAFの試験動画は写真をクリック(外部配信サイトからは閲覧できません)

次ページは : ■キャンピングカーは要注意 定期的な空気圧チェックが大切!