終始新型コロナに振り回された2020年上半期。自動車メーカーの第1四半期の決算、軒並み大きな赤字となっている。打つ手も限られているなか、こればっかりしょうがないとも言える。
ただそんな中にあって、多大な影響をうけながら各社とも果敢に新型車の投入を果たしている(ちなみに2020年1月から7月までに登場した国産車は一部改良や特別仕様車なども含めると68車に上る)。自動車メディア云々関係なく、頭が下がる思いだ。
ここでは、2020年上半期に発売された最新国産車を軸に、自動車評論家4人にベストの一台と次点の一台とを選出してもらった。頭が下がるとは言いつつも、忖度なしで選びぬかれた、注目の8台だ。このコロナ禍で新たにクルマの購入に眼を向ける層も多いと聞く、その判断材料にもなれば嬉しい。
【画像ギャラリー】フィット ハリアー タフト RAV4…評論家4氏イチオシの8モデルをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年8月のものです
文:片岡英明、岡本幸一郎、竹岡圭、国沢光宏/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年9月10日号
■ホンダ フィットとトヨタ RAV4(片岡英明のベストと次点)
間もなく登場するヤリスクロスにも惹かれる。が、私推しのベストは、心地よさを前面に押し出したフィット。
4代目はグレードごとのキャラクターを明確にし、ハイブリッドシステムなどのメカニズムも一新して魅力を増した。
オリジナリティあふれるデザインに加え、シンプルに徹したインテリアも新鮮。また、見栄えもよくなっている。
そしてフィットの自慢のひとつとなっているクラスを超えた広いキャビンは、新型になっても健在。開放的だし、シートの改善などにより気持ちよく座れるようになった。もちろん、ラゲッジルームも広く、使い勝手がいい。
ハイブリッドシステムも大きく進化した。実用燃費はヤリスにかなわないが、走りの質感は高いし、静粛性なども高いレベルにある。1.3Lエンジンも日常の走行シーンでは不満のない実力だ。
先進安全装備の充実度が物足らないのとスポーツグレードの設定がないのが不満だが、おすすめ度は高い。
次点はそれより上のクラスになり、SUVのRAV4だ。
世界中で売れに売れている。推薦理由はトータル性能が飛び抜けて高いことだ。
ガソリンエンジン車は軽快な走り出し、2.5Lエンジンのハイブリッド車もいい仕上がり。
追加されたプラグインハイブリッドも新しい魅力を放っている。ワイドボディだが、持て余すほどではない。
■トヨタ ハリアーとダイハツ タフト(岡本幸一郎のベストと次点)
オススメのクルマというのは時間とともに変わっていくもの。この2台が出てくる前だったら結果は違ったけど、新顔の2台がとても印象的だったので、ぜひオススメしたい。
ハリアーは、とにかく完成度の高さに驚いた。
スタイリングもさらに洗練されて、より奥ゆかしさを感じさせるし、従来モデルでも印象的だったインテリアも、さらにエレガントさが増すなどして、ますます魅力的になった。新たに設定された調光パノラマルーフもスグレモノだ。
走りもTNGAってすごいんだなと改めて思った。今までも乗り心地はソフトで快適だったけど、そのよさを維持しつつ、新型は走りのよさを積極的に感じさせるものがあって、運転していて楽しい。
2Lガソリンはちょっと線が細いけど、軽快な走り味がイイ。ハイブリッドはレスポンスがよくトルクフルで、洗練された上質な走り味だ。
装備の充実ぶりも申し分ない。まさしく正常進化。これ以上は望むべくもない。
次点のタフトは、ツワモノ揃いの軽ハイトワゴンのなかで際立つ存在だ。
まずこの雰囲気がイイ! 男らしくて若々しさもある個性的なデザインだ。さらにスカイフィールトップがある。この未知なる開放感は他のクルマでは味わえない。
操る楽しさを感じさせる走りもイイ! 完成度が高いだけでなく、ドライバーズカーとしての性格も持ち合わせている。
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