人気すなわち人の好みというのは変わりやすいものだ。女性アイドルやラーメンを見ても、人気はどんどんと変わるし、クルマにおいても同様に人気は変わりやすい。
1990年代半ばまではセダンがファミリーカーの主力車種だったが、オデッセイが登場するとファミリーカーの定番はミニバンに移行。そして、現在はSUVへと人気車は移行している。新車の場合、納車までの期間が長くなったり、値引き額が渋くなったりするが、人気車だから新車価格が高くなることはない。
しかし中古車の場合はそうではない。新車時価格が同じカテゴリーのクルマで年式、走行距離まで同じであっても、人気の有無によって中古車の販売価格は大きく変わるのだ。
そうしたなかで現在人気薄となっているのがセダン。ただそのぶん中古車で買うには狙い目のカテゴリーといえる。クラウンなど一部安定した人気を誇る車種もあるが、全体的に見れば、人気は落ち着いている状況だ。
例えば、2019年にフルモデルチェンジしてマツダ3へと生まれ変わったアクセラの最終モデルの中古車相場を見てみると、平均価格は3カ月前の約132万円から約122万円へと10万円の値落ち幅を記録。
新車時価格258万6600円だったハイブリッドSで、2016年式、走行距離4万kmの中古車が約150万円で手に入れられるのだ。
クルマのベーシックモデルと言われて、高い走行性能と乗り味に定評のあるセダン。現在は人気薄のため、割安で手に入れられる中古セダンを紹介していこう。
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※本稿は2020年8月のものに適宜修正・注釈を加えています。流通量の★印は★:30台以下、★★:50台以下、★★★:100台以下、★★★★:300台以下、★★★★★:301台以上。中古車相場など中古車データは2020年7月下旬、萩原氏調べのもの
文:萩原文博、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部ほか
初出:『ベストカー』 2020年9月10日号
■現行型国産中古セダン編 現行モデルを選んで新車の80%安も!
まずは国産セダンの現行モデルから。ここにはホンダレジェンドやマツダアテンザ(現マツダ6)、そしてスバルレガシィB4といったフラッグシップモデルも含まれている。
そのなかで最初に紹介するのは、2020年9月に大幅改良が予告されているレクサスISだ。現行モデルは2013年に登場。
大幅改良後に変動がありそうだが、現在の中古車の流通台数は約440台と豊富で、平均価格は約259万円、平均走行距離は約4万kmと少なめだ。最も多い300h Fスポーツで値落ち率は約18~75%となっている。
次に惜しまれつつもまもなく幕を閉じるレクサスGS。現行モデルは2012年に登場。中古車の流通台数は約460台と豊富だ。ガソリン車の平均価格は約203万円、ハイブリッド車の平均は約285万円だ。
中古車の最も多いグレードはGS300h Iパッケージで、値落ち率は約36~約80%と大きくなっている。
また、GSに設定されているハイパフォーマンスモデルのGS Fの中古車は流通台数が約24台。平均価格は3カ月前の約739万円から現在は約700万円へと大きく値落ちしている。
次は国産スポーツセダンの代名詞である日産スカイライン。現行モデルは2013年に登場し、中古車の流通台数は約270台で、3カ月前の約450台から激減。
その影響もあり、平均価格は約222万円から約246万円へと値上がり。最も多い350GTタイプSPの値落ち率は約20~約76%を記録した。
続いては日産パーソナルセダンのフラッグシップモデルのフーガ。現行モデルはガソリン車が2009年、ハイブリッド車が2010年に登場。
流通台数が多いのは圧倒的にガソリン車で、平均価格は3カ月前の約135万から現在は約131万円へ値落ち。最も多い250GTの値落ち率は約24.5~約91%と大幅安だ。
ホンダのフラッグシップセダンのレジェンドはハイブリッド車として2015年に現行モデルが登場。中古車の流通台数は約84台で、値落ち率は約12.6~約81%となっている。
マツダのフラッグシップセダンがアテンザ。2012年に登場した最終モデルの流通台数は約290台。最も多いXD Lパッケージの値落ち率は約20~約83%だ。
そして先ごろ6月に受注を終了したスバル レガシィB4の2014年に登場した現行型の中古車の流通台数は約104台。最も多いグレードのリミテッドの値落ち率は約1.5~約77%と幅広くなっている。
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