三菱がロシアのイヤーカーに!? 日本未発売の大賞車「L200」とは

三菱がロシアのイヤーカーに!? 日本未発売の大賞車「L200」とは

 三菱自動車がロシアで販売するピックアップトラック「L200」が、ロシア カー・オブ・ザ・イヤーのピックアップ部門賞を受賞!

 今年のロシアカー・オブ・ザ・イヤーは、ロシア国内の約150万人の一般投票による選出だった。

 加えてL200は、ロシアで自動車ジャーナリストを含む専門家が選ぶ「トップファイブオートアワード」の小型商用車・ピックアップ部門と、ロシアの自動車メディア、ブロガー、一般の3つのグループによって選ばれる「SUVオブ・ザ・イヤー2020」のピックアップ部門賞も受賞した。

 本稿では、日本未発売ながらロシアで賞を多数獲得した三菱の基幹車種「L200」を紹介していきたい。

文:永田恵一/写真:MITSUBISHI

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■L200ってどんなクルマ?

タイで生産され各国に輸出されるトライトンのロシア・ヨーロッパ版がL200だ
タイで生産され各国に輸出されるトライトンのロシア・ヨーロッパ版がL200だ

 L200はタイで生産され、各国に輸出されるピックアップ「トライトン」のロシアを含むヨーロッパ圏での車名。トヨタ ハイラックスや日産 ナバラのライバル車でもある。そのためL200は当然ながら基本的にトライトンに準じた内容となっている。

 東南アジア圏を中心に販売されるトライトンを紹介する前に、簡単に三菱自動車のピックアップトラックの歴史を振り返ると、

・フォルテ/1978年登場で初代パジェロのベース車に

・ストラーダ(初代~2代目)/1986年登場で1991~1999年まで日本でも販売されたフォルテの後継車

・トライトン(初代~2代目=現行)/タイ国での生産という形で初代モデルが2005年に登場し、2006~2011年まで日本でもV6ガソリンエンジン搭載車を販売、2014年11月に2代目となる現行モデル登場

 という系譜である。なお仕向け地によっては、L200の車名がフォルテの頃から使われている。

 トライトンの現行型は、2018年11月にビッグマイナーチェンジを受けており、この際に現在の三菱顔である新世代ダイナミックシールドフェイスにフェイスリフトされている。

 また、インテリアも最近のピックアップトラックを紹介する際には毎回のように使う、「まるで乗用SUVのような」という言葉がピッタリの設えとなっている。

 機能面をエンジンから見ていくと、タイ仕様は2.4Lディーゼルターボ(最高出力181馬力&最大トルク43.8kgm)を搭載し、トランスミッションは6速MTとこのビッグマイナーチェンジで5速から6速となったATが組み合わされる。

 駆動方式はFRとなる2WDと、2WDにもできる副変速機付フルタイム4WDの「スーパーセレクト4WD II」、2WDと4WDを切り替えるパートタイム4WDの「イージーセレクト4WD」の2つが設定され、それぞれグラベル(未舗装路)、マッド(泥)/スノー(新雪)、サンド(砂地)、ロック(岩場)という4つのモードから構成されるオフロードモードも備える。

シベリアなどの極地を走る場合、スタックが死と直結することもじゅうぶんにありうる。外見は洗練されていてもヘビーデューティでなければ受け入れられない
シベリアなどの極地を走る場合、スタックが死と直結することもじゅうぶんにありうる。外見は洗練されていてもヘビーデューティでなければ受け入れられない

 また、このビッグマイナーチェンジではフロントブレーキのディスクローターとキャリパーピストンの大型化によるブレーキ性能の向上や、リアのダンパーの大型化によるオイル流量の増量による乗り心地の改善も行われている。

 安全装備に関しても自動ブレーキやドアミラーの死角になりやすい斜め後方を監視するBSW(ブラインドスポットワーニング)などを装備しており、ピックアップトラックとしては充実している。

 ボディタイプは2ドアの「シングルキャブ」、シングルキャブのキャビン内にラゲッジスペースを加え、ドアはマツダ RX-8のような観音開きとなる「メガキャブ」、4ドアでリアシートが付く「ダブルキャブ」という、ピックアップトラックでは定番の3種類を設定する。

次ページは : ■ロシア仕様のL200にトライトンとの違いはある?

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