2020年9月16日、ついに世界初公開された“ニューZ”。発売は2年先と言われているが、期待は膨らむばかりである。
しかし写真や実車を見たクルマ好きからは賛否両論、さまざまな意見が飛び交っている。本誌執筆陣の思いはいかに? 自動車評論家 国沢光宏、岡本幸一郎、飯田裕子3氏の率直な感想、そして期待と不安を聞いた。
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※本稿は2020年10月のものです
文/国沢光宏、岡本幸一郎、飯田裕子、写真/NISSAN、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年11月10日号
■プロトタイプを見ての率直な感想を評論家諸氏に聞く ニューZ どう思った?
●ライザップの前と後(国沢光宏)
結論から書くと、好印象であります!
現行モデル、明らかに運動不足のジジイ&ババアみたいなシルエットになっていた。大きく見せたほうが高い値段を付けられるという今までのデザイン戦略だったのだろう。
ライザップの宣伝で浅香唯さんの前後を取り上げている。現行Z、まさしく前。新型Zは自動車業界の人すら同じ骨格を使っていると見抜けないくらいシャープになった。これまたライザップのようだ。
また、厳しい意見が多いフロントグリルだけれど、初代と同じ雰囲気。初代はグリルの真ん中にメッキバンパーがあったため目立たないだけ。
むしろ新型Zのフロントグリルはあえてそっけなく作り、自由度を残した。
実際、グリルの真ん中くらいに横方向のメッキバーを入れるとまったく印象変わってくる。いや、ナンバープレート付けるだけで見え方が変わってくることだろう。ということで私は気に入りました~。
●ちょうどいいバランス(岡本幸一郎)
それはもう素直にうれしいです! 僕にとってもZはずっと大好きな憧れのクルマ。でも、ひょっとしてもう新しいZの姿を見ることはないのかもしれないと危惧していましたからね。それがなんの前触れもなく唐突に出てきたので、思わず“おおっ!”と声が出るほどビックリしました。
これだけのものをすでに用意できているということは、見せるだけじゃなくて、本当に売るってことですよね? そこが一番大事です……(笑)。
まだ実車は見てないけど、写真を見るかぎり相当気に入っています。とにかく誰でもひと目でZとわかるところがイイ ! 歴代Zの要素が巧みに盛り込まれているのも、50代の筆者にはたまりません!
もう少しロングノーズ&ショートデッキなほうがよりZらしいだろうけど、そこまでやるとわざとらしい気もするので、2020年代に新たに世に出てくるZとしては、これくらいのバランスがちょうどよいのかなと思います。
●街の風景を変える存在感(飯田裕子)
ステージの上にあがる眩いほどのイエローを纏った新型Zは、サイボーグ美少女ならぬ美男子バリに端正に整ったスタイルをしてるなぁと、ワクワクよりもハッとさせられました。
でも個人的には色気が足りないんです。日産はなーんかスポーツカーに大人の色気みたいなものを匂わせるのが上手くない。でもその硬派な佇まいに“走りの日産”好きは惚れちゃうんだよなー。
“アスファルトが最高のレフ板”ってタイプなんですよね。しかし新型Zにはこれまでにない魅力を感じています。たぶん街中で“映える”。
イエローじゃなくても、街の風景を変えるだけの存在感、あると思います。山間部のワインディングは言うまでもないでしょう。
ミニバンやSUVが人気ながら、2シーターが時に不便で、渋滞でMTは面倒だけど、本音で言えばサイズのいいスポーツカーに憧れてるという人もいっぱい隠れていると思うので、そういう人たちを内燃機関で覚醒させてっ! この先の電動化を考えたら今しかないでしょう。
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