大きく薄いタイヤのトレンド化で、新車に付くタイヤの選定事情にも変化?
普段何気なく履いているタイヤ。摩耗して交換時期が来たり、スタッドレスタイヤを選ぶときにはじめて、どんなサイズのタイヤを履いていたんだっけ? と愛車のタイヤサイズをチェック人、少なくないのではないでしょうか。
実際のところ、クルマには初めからタイヤはついていますからね。知らなくても特に困りません。そんな縁の下の力持ちのタイヤですが、ホイールのリム径が大きいの小さいの、タイヤの幅が太いの細いのいろいろあります。
そんないろいろな種類の中から自動車メーカーはどうやってタイヤサイズを決めているのでしょう?
文:斎藤聡/写真:マツダ、トヨタ
■車格やグレードで決まっていたタイヤサイズ
タイヤの選定にはいくつかの条件があるようですが、昔はクルマのサイズやグレードによってホイールのリム径が決まっていたようです。
トヨタ カローラは14インチ、クラウンは16インチといった具合に。それとともにクルマの重さでタイヤの幅や偏平率(編注:タイヤの幅に対する高さの割合。低ければ低いほど薄いタイヤになる)が決まっていました。
新型車の場合、タイヤは細かな仕様書どおりにタイヤメーカーに作ってもらいます。ほとんどの場合、複数のメーカーでコンペティションが行われ、2~3メーカーのタイヤが選ばれます。
特に海外で販売されるクルマは、現地で買えないといけないので、A社、B社、C社で販売地域をすべてカバーできるようにしています。
自動車メーカーの立場としては、スポーツモデルやプレミアムモデルは例外になる場合もあるようですが、基本的には部品なので、どのメーカーのタイヤを装着しても性能は同じという立場です。
■メーカーの要求に合わせて作られる純正タイヤ事情
実際には「A社のほうがグリップがいい」とか、「B社のほうが乗り心地がいい」といった微妙な違いはあるのですが、これはすべて自動車メーカーの仕様書を満たしたうえでの微差。最近では転がり抵抗とか、乗り心地、耐久性などが重視される傾向にあるようですが、そういったメーカーの要求によってタイヤは作られているのです。
海外メーカーだと新型車のタイヤ開発に、新型タイヤの開発を重ね共同開発することも少なくありません。
国産メーカーでも2017年に登場したシビックタイプR(FK8型)は、コンチネンタルタイヤと共同開発した「コンチスポーツコンタクト6」が装着されていました。このタイヤでニュルブルクリンクFF市販車最速(当時)の座を手に入れました。
タイヤ開発では、ホンダからかなり強烈にモアグリップのオーダーがあったと、当時のエンジニアが言っていました。
国産車の場合は、純正装着専用(開発)タイヤを装着しているほうが多いので、市販タイヤと同じ名前のタイヤを履いている例は少なめです。
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