■大きく薄いタイヤの流行でサイズの縛り少なく
最近のタイヤ選定事情は少しずつ状況が変わってきているようです。
というのは、17~18インチが主流になり、タイヤの扁平率も50~40扁平くらいが多くみられるようになっています。世界的にリムサイズが大径化の方向にあり、ファッション性を含め偏平率の低い(厚みの薄い)タイヤが流行っているからです。
リムサイズの大径化に伴って、かつてのようなタイヤサイズの縛りは少なくなっているようです。そのぶんタイヤ幅を細身にしているクルマも見られるようになっています。
例えばマツダ3は、215/45R18(編注:それぞれ幅/扁平率 リム径を示している)が純正サイズ(グレードによる)です。
かなり外径の大きなタイヤを履いていますが、タイヤの幅は比較的細身です。細身のほうが空気抵抗が少ないし、転がり抵抗も少なくしやすいからだろうと推察できます。
マツダ3のタイヤサイズが面白いのは、18インチなのに45%偏平にしているところ。偏平率が高くなると接地面はスクエアで横長な傾向になります。高偏平でタイヤ幅が狭いと接地面積は小さくなってしまうわけです。そうなると操縦安定性は低くなってしまいます。
マツダ3は45%扁平にするとともにタイヤプロファイル(タイヤ断面)を凸型にすることで接地長を長くとっているのです。
タイヤは接地長を長くすると操安性が高くなるので、空気抵抗を減らしながら(転がり抵抗はタイヤ次第)操安性をバランスさせているというわけなんです。
■現代のタイヤサイズ選定事情 乗り心地は空気圧で調整?
もちろん、むやみに細いタイヤを装着するわけにはいきません。タイヤにはタイヤ1輪が支えられる限界荷重を示したロードインデックス(=荷重指数)というのがあるからです。
タイヤを選ぶ際は、クルマの車重をロードインデックスの範囲内に収める必要があるからです。ロードインデックスはタイヤサイズでほぼ決まっています。
荷重指数を超えていると、タイヤがヨレたり真っ直ぐ走りにくかったり、場合によっては発熱やバーストの危険性もあります。
ちなみにタイヤのロードインデックスは空気圧によって変わります。タイヤの空気圧を決める際は、ロードインデックスを下回らない(たいていは余裕があります)範囲で調整しながら、操縦性や乗り心地などを決めていくのだそうです。
装着する車の重量よりロードインデックスが圧倒的に大きいと、空気圧で調整をしても乗り心地は悪くなる傾向にあるので、スポーツカーなど特殊な用途のクルマ以外は選ばれないようです。
いまは昔ほど厳しくないようですが、クルマの車格やボディサイズによってほぼリム径(ホイールのサイズ)が決まっていて、組み合わせるタイヤの幅や扁平率によって空気圧が決められている、と考えてもらっていいと思います。
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