2020年11月20日、中国「広州モーターショー」で、トヨタの現地合弁会社の一汽トヨタが新型アリオンを発表した。
日本におけるアリオンといえば、プレミオの兄弟車で、カローラの上級車種にあたるモデル。2007年6月の登場以来、約13年半を経過したセダンである。
現在はトヨタ車全店で販売されているが、統合前はアリオンがトヨタ店、プレミオがトヨペット店で販売。カリーナとコロナの後継モデルで姉妹車として登場した。1957年に発売されたコロナから数えると約62年の歴史を持つ伝統のセダンだ。
一方、中国で発表された新型アリオンは、日本のプレミオ/アリオンとはまったく関係のないモデルで、中国でのラインナップではカローラの上級車種にあたる。
そんななか、2020年12月1日、突如、トヨタのプレミオ/アリオンの公式ホームページに以下のような案内がひっそりと掲載された。
「プレミオ・アリオン・プリウスαについて2021年3月末をもって生産終了いたします。長い間たくさんのお客様に愛顧いただきました。誠にありがとうございました」(一部抜粋)。
なんとプレミオ/アリオンが2021年3月末をもって生産終了するというのだ。そこで、現行プレミオ/アリオンの生産終了が正式にアナウンスされた今、はたして次期プレミオ/アリオンはどうなるのか、流通ジャーナリストの遠藤徹氏が解説する。
文/遠藤徹
写真/トヨタ ベストカー編集部
【画像ギャラリー】新型アリオンと13年半で生産終了となる現行プレミオ/アリオンの未公開ショット!
公式ホームページで2021年3月末の生産終了を掲載
ついにトヨタは、正式に現行モデルのプレミオ/アリオン生産終了をホームページ上で発表した。実は、現行プレミオ/アリオンは2020年春から受注生産となっており、私の予想では2021年中にカローラセダンと統合するのではないかとみていた。
すでに各販売店では2020年11月29日をもってオーダー受付がストップしており、この受付ぶんの生産が2021年3月31日をもって終了することになる。
2020年11月20日から開幕した中国・広州モーターショーでは、新型アリオンが発表され、12月1日に日本でのプレミオ/アリオンの生産終了発表というタイミングだったので、新型アリオンが日本でのプレミオ/アリオンの後継車として販売されるのではないかと思った人も多いはずだ。
ところが実際はすんなりと事が運びそうもないことが判明した。中国市場はセダン市場が健在で日本勢のトヨタ、日産、ホンダ、ドイツ勢のベンツ、BMW、VWが同じセグメントで激しくシェア争いを演じている。
日産には中国で年間40万台も売る人気モデル、シルフィがあり、ホンダにはシビックセダンがある。
トヨタにはカローラとアバロンがあるが、シルフィに相当するセダンが存在しない。そこで対抗できる新型アリオンを開発し投入することになったようだ。
新型アリオンはグローバルモデルであるカローラセダンのホイールベースを50mm延長し、2750mmとして新開発のプラットフォームを設定して仕立てている。
エクステリアデザインはカローラセダンをベースにサイズアップし、フロントマスクは現行国内仕様のシンプルでおとなしい顔立ちから、押し出しの強いワイルド感を強調したようなデザインを採用している。全長が長くなったことで、後部座席の空間を広くとっている。
はたして、中国で発表された新型アリオンは日本でも販売されるのか? さっそく、首都圏のトヨタ販売店営業担当者に聞いた。
「メーカーからは現行車のオーダーストップの連絡が来ているだけで、その後の展開は何も伝えられていない。2021年にアリオン/プレミオの後継モデルを投入するというのであれば、これまでの例だと何らかの動きがあるはず」とコメント。
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