強化される燃費規制に対応できる? SKYACTIV-Xや新しい直列6気筒エンジン、ロータリーエンジンを活用した電動化やPHEV……。マツダのパワーユニット戦略に潜む期待と不安とは?
マツダは、コロナ禍を受け中期経営計画の見直しを2020年7月に行った。
丸本明社長体制後の昨2019年、中期経営計画を発表しているが、コロナ禍という想定外の状況や、米国カリフォルニア州が2035年にエンジン車の販売を禁止するとし、英国もエンジン車販売の禁止を前倒しして2030年に実施するなどエンジン車販売の厳しい情勢変化も関係しているはずだ。
見直しの内容は多岐にわたる。ブランド価値向上への投資/ブランド価値を低下させる支出の抑制/固定費と原価低減を加速し、損益分岐台数を低減/遅れている領域への投資や新たな領域への投資開始/協業強化/財務指標として示された。
これらのうち、新車に関わるパワートレーンの将来像を見てみよう。
文/御堀直嗣、写真/MAZDA、PORSCHE、Mercedes-Benz
【画像ギャラリー】2021年にEV仕様が搭載される予定のマツダMX-30をみる
ロータリーエンジンの活用からPHEVまで! マツダの電動化計画とは?
MX-30の誕生により、国内にはガソリンマイルドハイブリッドが販売され、英国では電気自動車(EV)が導入されている。国内へも、年明け2021年1月にはEV版が販売される予定である。
マツダ独創のSPCCI(火花点火制御圧縮着火)によるSKYACTIV-Xもモーター機能付き発電機(ISG)を備えており、マツダの電動化がいよいよ動き出すことになる。
この先、マツダがラージ商品と位置付ける上級車種のためのプラグインハイブリッド(PHEV)とマイルドハイブリッドが追加になる予定だ。
スモール商品には、ロータリーエンジンを活用したマルチ電動化技術の導入が行われる予定である。これは、かつてデミオEVで実験的に試作された発電機用ロータリーエンジンを利用する。
MX-30はスモール商品群に入り、年明けのEV導入に続いて、2022年前半から発電用ロータリーエンジン搭載車を投入すると丸本社長はMX-30発表の折に語っている。
中期経営計画の見直しは現状を踏まえ、この先2年間を足場固めとし、さらに2022年以降での本格成長へ向けた4年計画からなり、段階的に前進させていく構えだ。
だが、見直された中期経営計画によるパワートレーン戦略が、10年後の2030年には英国で、2035年には米国カリフォルニア州で、2040年にはフランスでエンジン車の販売が禁止になる見通しの中で、どれほど効果を上げるのか、気になる点もある。
コメント
コメントの使い方