日本のセダン市場を考えると現行モデルで終了か
トヨタの現在における国内のセダンラインナップは、継続販売されている5ナンバーサイズのカローラアクシオ、フルモデルチェンジして3ナンバーボディとなった現行カローラ、ミドルセダンのカムリ、そして生産終了(非公式)が伝えられたクラウンがある。
カローラアクシオが2019年9月の新型カローラのフルモデルチェンジ時に継続生産モデルとして1.5Lモデルのみを残したのは、法人の業務用やレンタカーとしての需要が存在するためだった。
当初は1年に限定し、その後は廃止して現行3ナンバーのカローラに引き継ぐとしていたが、現在でもまだ細々と継続販売している。
一方、3ナンバーサイズに拡大した現行のカローラセダンはあまり売れていない。5ナンバーセダンのアクシオが1~10月で9490台、カローラセダンが1万3670台と、カローラセダンがアクシオを4180台上回っているものの、旧型であるアクシオがこれほど健闘しているのは凄いことだ。
ステーションワゴンのツーリングや5ドアハッチバックのスポーツは良く売れており、シリーズ全体のリード役を果たしている。
3ナンバーのカローラセダンが法人の業務用やレンタカー用などで浸透すれば、5ナンバーのアクシオは役目を終えて生産終了となるはずだが、まだその期待が見込めず継続せざるを得ないのはまだまだ需要があると見込んでいるということだ。
現行プレミオ/アリオンの販売台数を見ると、直近の2020年10月/2020年1~10月は、プレミオが270台/4766台、アリオンが155台/2142台。前年と比べるとどちらも半減状態にある。
■2020年10月と2020年1~10月の販売台数
●プレミオ:10月270台/1~10月4766台
●アリオン:10月155台/1~10月2142台
■カローラアクシオ:10月960台、1~10月9490台
■カローラフィールダー:10月1300台、1~10月1万2000台
■カローラセダン:10月1280台、1~10月1万3670台
■カローラツーリング:10月4970台、1~10月4万2910台
■カローラスポーツ:10月1370台、1~10月1万1940台
当初、現行プレミオ/アリオンは1.5L、1.8L、2Lの3ユニットを搭載していたが、2020年9月には2Lモデルが先行して生産中止になった。
2020年4月まではアリオンがトヨタ店、プレミオがトヨペット店の専売だったが、ゴールデンウィーク明けから両モデルともカローラ店、ネッツ店も加わり。全トヨタ系列店が扱うようになった。おもしろいことに販売力が約2倍になったのに両モデルの販売台数は増えるどころか減っているのである。
なぜ販売店の営業関係者はプレミオ/アリオンを積極的に売ろうとしないのか? トヨタの販売店担当者に聞いた。
1/モデルが古く商品力が落ちているうえにハイブリッドを搭載していない。
2/安全・安心パッケージのトヨタセーフティセンスもほかのモデルよりも性能が劣る装備なので薦めにくい。
3/プレミオ/アリオンを売るのだったら、新しく商品力の高い新型カローラセダンを薦めるケースが多くなるので、余計にアリオン/プレミオの売れ行きが悪くなる。
といった具合だ。こういった理由でモデル廃止につながったともいえそうだ。
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