実に7年ぶりのフルモデルチェンジ、そして日産にとって久々となる“日本向け主力モデル”の刷新でもある新型ノートが、2020年12月に発売された。
旧型のノートといえば、2017年にシリーズハイブリッドの「e-POWER」を追加し、モデルライフ終盤ながら登録車販売No.1にも輝いたモデル。
……が、クルマそのものの“基本性能”という意味では、やや安っぽさが目立った印象も否めない。トヨタが新型ヤリスを送り出し、ホンダもフィットを刷新、室内は手狭とはいえ、スイフトやマツダ2も実力派となればなおさらだ。
技術力が高く、ファンも多い日産だけに「期待に応える、日産党が買いたい新車を!」という声は多かった。新型ノートは「今までのノートとは大きく違う」との評価も多く、サイズ・価格的にも手頃だが、本当に日産党待望の新車に仕上がっているのか?
文/渡辺陽一郎、写真/日産、奥隅圭之
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e-POWER専売&価格アップで刷新した新型ノート
最近登場した新型車の中で、コンパクトカーの新型ノートは、特に注目度の高い車種だろう。発表は2020年11月だが、納車を伴う発売は12月23日だ。実質的に2021年に入って販売を開始している。2020年2月に登場したライバル車のヤリスやフィットに比べて新鮮味が強い。
販売店にノートの納期などを尋ねると、以下のように返答された。
「従来型から乗り替えるお客様を含めて、ノートは順調に売れている。2021年1月中旬に、プロパイロットをオプション装着した2WD仕様を契約した場合(グレードはX)、納車は3月下旬になる。メーカーオプションの組み合わせ次第では、4月下旬に遅れることも考えられる。特に今は半導体が不足しているので、全般的に遅延気味だ」
新型ノートの納期が長いことは確かだが、2か月半から3か月半だ。予想以上の売れ行きで長い遅れが出ているわけではない。
また、新型ノートは、ノーマルエンジンを廃止してe-POWER専用車になっている。先代型の70~75%をe-POWERが占めたからだが、価格帯も高まり、全グレードが200万円を超える。
販売店からは「ノートのノーマルエンジン車が廃止されて価格が高まった結果、先代ノートのお客様が、ほぼ同じ価格で買えるデイズやデイズルークスに乗り替えている」という話も聞かれる。
この経緯を考えると、ノートのノーマルエンジン車の需要は日産の軽自動車などに吸収され、生産が間に合わないほどの受注にはならないだろう。それでもノートは、今後継続的に高い人気を保つ。そこには4つの理由がある。
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