2021年2月13日23時7分。福島県沖で発生したマグニチュード7.3(推定値)という地震に「3.11」の記憶を重ねた人も多いのではないだろうか。
この地震によって多くの公共交通が影響を受け、さらに高速道路や一般道で通行止めの区間が発生した。
突然やってくる自然災害、その時クルマに乗っていたら通行可能な区間の情報など、どのように情報を得れば良いのか?
そこにカーナビが役立つことは意外と知られていない。現在、活用できるサービスも含め、いざという時の備えをしておきたい。
文/高山正寛、写真/AdobeStock(kelly marken)、Toyota、Honda、NAVITIME
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■きっかけのひとつは東日本大震災
平成23年3月11日(金)14時46分に発生した東北地方における太平洋沖地震(東日本大震災)はマグニチュード9.0、宮城県北部の震度7のほか、広範囲に亘り災害をもたらし、多くの犠牲者を出した。
自動車産業においても工場での生産休止などもあったが、何よりも交通網、特に道路の分断などは物流に大きな影響を与えたことは生々しく記憶に残っている。
過去には災害救助やボランティアで現地に向かう際に道路インフラがどうなっているかを知るためには日本道路交通情報センターなどが発信する情報やカーナビに搭載されているVICSを活用するしかなかった。
しかし実際起きた問題としては、情報の内容としては不足しており、その道路自体が損傷していることによって「通行自体ができない」という現実も数多く見受けられた。
■だったら「通行可能な道路」を表示すればいい
その時に役立ったのがホンダが2002年から展開していた「インターナビ・プレミアムクラブ」だった。すでにクルマをひとつのセンサーと見立てて、実際の走行データをシェアする「フローティンカーシステム」は2003年にスタート、2007年4月の新潟県中越沖地震の際には世界で初めて通行実績情報を公開している。
そして東日本大震災の際には地震発生から19時間44分後の3月12日(土)10時30分に自社サイトに「通行実績マップ」を公開した。
これはインターナビ会員の車両から収集された「通行実績あり」のデータを活用し、通行可能な道路の参考情報としてGoogleEarth上に表示したもの。従来までの道路の通行止めをメインに表示していたカーナビとは逆の発想とも言えるこの試みは高く評価された。
その後トヨタも同社が持つ「T-Connect」を活用した「通れた道マップ」を公開、今回の地震はもちろん、過去にも熊本県大地震の際にも同様のサービスでドライバーに情報を提供し安全運転を啓蒙してきた。
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