■進化するVICS-WIDE
さて、渋滞関連の情報と言えばメジャーなのがカーナビに装着されているVICSである。これも2015年に新サービスとして「VICS-WIDE」がスタートしてからより高い精度かつ、大容量の情報をクルマに提供できるようになった。
それはこれまでのVICSが基本、各都道府県単位で情報を展開してきたのに対し、VICS-WIDEは県をまたいだ情報展開が可能になったからだ。これにより「地震」「豪雨」「路面凍結」などの情報も車両側で取得しナビ画面状で表示できるようになった。
さらに2020年4月からはトヨタ、ホンダ、日産、そしてパイオニアが持つプローブ情報を統合して提供するという実証実験も行われた。これにより情報を表示する道路の距離も約2倍になり、精度向上なども含め、今後の運用に繋がっていくはずである。
一方でパイオニアはカロッツェリアのカーナビにVICSとは別に独自のプローブ情報を活用する「スマートループ」を展開しているが、すでに2011年3月の段階で通行可能道路の情報をナビ画面状に表示できるようになっている。
■スマホアプリでも情報は取得できる
各自動車メーカーを中心に今や勢いのあるスマホナビアプリ。これらにも今回の「通行可能な道路」は表示される。
トヨタの「T-Connectナビ」ホンダの「インターナビ・POCKET」、また「カーナビタイム」や「Yahoo!カーナビ」、そして「ドコモドライブネット」のような専用ナビアプリ。さらに渋滞情報のみを表示、各道路運営会社独自のアプリでも情報取得と表示が可能だ。
これらのメリットは「通行可能な道路」を考慮したルート探索を行う点、アプリごとに情報取得間隔は異なるが、視覚的にも情報は把握できるし、ルート探索だけでなく、走行中の新ルート提案も従来までのナビアプリと同様である。
またインターネットであれば「ITS Japan」のホームページから通行実績情報を確認することも可能だ。同組織には前述したトヨタ、ホンダ、日産、パイオニアのほか、いすゞやVOLVOグループ(UDトラックス)、日野自動車なども参加しており、よりきめ細かい情報も確認できる。
災害時には初動判断が最も重要と言われるが、今後災害が発生した際には慌てること無く、これらのアプリ等を活用することで安全・安心運転に繋がるはずだ。
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