マツダはガソリン車と内燃機関にこだわりを持ち続けてきたメーカーだ。
近年でも「圧縮着火(SPCCI)」による燃焼でリーンバーンを可能として、少ない燃料で高効率な燃料を実現したスカイアクティブXを市販車に搭載するなど、内燃機関の可能性を追求してきた。
そのマツダの内燃機関において触れなければならないのがロータリーエンジンだ。本稿では、そんなマツダの至宝ともいえるロータリーエンジン搭載のスポーツカー、RX-8についての企画です。
2030年には新車として純ガソリン車の販売ができなくなるかもしれない。そんな状況ではロータリーエンジンを搭載した新型車の開発、発売は望むべくもない。そう考えると、RX-8は「最後のロータリースポーツカー」となるかも…。逝きし世の面影を偲びつつ、RX-8の紹介と中古車事情の調査結果をお送りします。
文/萩原文博 写真/ベストカーWeb編集部、MAZDA
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■20年の月日を超えて「夢のエンジン」が復活
小型・軽量・高い静粛性かつ高出力を特長とするロータリーエンジンは、1960年代には「夢のエンジン」と呼ばれ、多くの自動車メーカーが注目していた。
しかし大量市販化に成功したのは世界でマツダだけであり、その過酷な開発は山本健一郎氏率いる「ロータリー四十七士」としてたびたびメディアにも取り上げられた。
そのロータリーエンジンを搭載したスポーツカーも、時代とともに厳しくなる環境規制に適合することが難しくなり、2012年にいったん幕を閉じた。
しかし、マツダのアイコンでもあるロータリーの灯は決して消えていなかった。2013年11月に発表されたデミオEVはトランクスペースの下に発電用のロータリーエンジンのレンジエクステンダーを搭載。従来のEVの走行距離の倍となる航続走行距離を達成したのである。
そして2022年。マイルドハイブリッド、EVと異なるパワートレインを搭載するMX-30にロータリーエンジンをレンジエクステンダーとして搭載するモデルが発売されるという情報もある。
まさに20年の月日を超えてマツダのロータリーが復活する。そこで、ここではロータリーエンジンを搭載した最後のモデルであるRX-8の最新の中古車事情に迫ってみる。
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