マツダの今後のブランド戦略を考えるうえで、どうしても必要になるのがフラッグシップモデル。現行アテンザ、CX-8の「もうひとつ上」のモデルが必要なはずだ。
そしてそれこそが「RX」シリーズの復活につながる。
現在マツダ社内ではさまざまな開発プロジェクトが走っているが、この「マツダの将来を担うフラッグシップモデルの開発プラン」も間違いなく存在している。それはマツダ関係者から何度も当編集部へ伝えられている動きであり、情報が出てそれが支持されることで「社外から応援していただき、このプランの実現に力を貸してほしい」という願いでもある。
そこで本稿では、これまでのマツダの動きと当編集部がつかんでいる情報、いまマツダが持っている開発資産と今後の動きを整理してお伝えしたい。
マツダの生き残りをかけた決意を背負う新モデル。その核心に迫る。
文:ベストカー編集部
ベストカー2019年1月26日号「ロータリーから直6クーペへ マツダの決意」より
■いまマツダに必要なモデルは…
現在、クルマ好きにとって最もその動向にワクワクさせられるメーカーといえば、マツダだろう。
縮退する国内市場を横目に海外市場へ軸足を移してゆくメーカーも少なくないなか、海外市場と日本市場の双方にバランスよくモデルを投入。さらに2.5Lガソリンターボエンジンの搭載や幅広いMT設定車種など、マツダは日本のクルマ好きが喜ぶツボを知り尽くしたかのような商品展開を見せている。
だが、そんなマツダにも、これからの将来を考えると、不安要素は存在している。メーカーを代表するに足る「フラッグシップモデル」の不在だ。
もちろん、ロードスターやCX-5&CX-8など、「元気なマツダ」を印象づけてくれるモデルはある。だがかつてのRX-7のような、問答無用の「顔」とまで言えるほどのインパクトは、残念ながら持っていない。
■他メーカーにはない独自性がカギになる
新たなロータリーエンジンの開発は凍結されていない。依然として研究は続けられ、マツダも「経営状態がより改善されれば、しかるべきタイミングに発表する」と言い続けている。
だが、景気動向は依然として先行き不透明のままであり、メーカー規模的にも中堅クラスであるマツダには、近い将来投入できる、ロータリーエンジン以外のパワーユニットを搭載するフラッグシップが必要だ。それは何か。
それこそが、何度かその存在を何度か伝えているFRセダンおよびその派生モデルであるクーペの開発プランだ。
現在、日本のセダンおよびクーペ市場は活況とはいえない。そのような状況下でマツダは勝負に出る。なぜか。
あるマツダの内情に詳しい関係者は、
「日本の状況はマツダもわかっているし、良質なサルーンを求めるユーザーが輸入車に流れていることも把握している。だが、そこに強い魅力を持ったセダンなりを投入できれば、輸入車に流れるユーザーも持ってこられる。マツダはそう考えている」
と語る。
なるほど確かに輸入車勢と正面からぶつかって勝ちきれるだけの魅力を備えたモデルを投入できるならば、それは国産他メーカーにはない独自の武器となり、「勝ち」も見えてくるだろう。
アッパークラスの美しいセダンやクーペを作ることができれば、現在ミドルクラスを中心に打ち立てたマツダのブランド力も利用できる。
具体的に言うと、CX-5やアテンザに乗って満足したユーザーが「次」に乗りたくなるようなモデルを、マツダ自身が用意できるということだ。
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