■2003年にフリースタイルドアのRX-8登場
「フリースタイルドア」と呼ばれる観音式ドアを採用した4シーター4ドアクーペのRX-8は、2003年に登場した。搭載される2ローターエンジンは「RENESIS RE」と呼ばれる新開発のエンジンで、RX-7のシーケンシャルツインターボから自然吸気へと変更された。
排気ポートを市販ロータリーエンジン初となるサイド排気ポートを採用。従来のロータリーエンジンと比べて低速トルクそして燃費性能も向上した。
デビュー当初はタイプS用の6ポートと4ポートの2種類のエンジンを設定。6速MT車のみのタイプSは最高出力250ps、タイプE、標準車は最高出力210psを発生する。
エンジンをフロントミッドシップに搭載し、前後の重量バランス50:50を実現。さらにエンジンの搭載位置を低くし、重心高を低くしたことで旋回性能が向上している。
2008年3月にマイナーチェンジを行い、内外装を変更。
また、搭載する2ローターエンジンは6ポートエンジンに統一され、最高出力は235psと下がったものの中低速のトルク向上が図られ扱いやすくなっている。また、前期型で多く発生したエンジン内にカーボンが蓄積する現象も改善された。
組み合わされる6速MTがアイシン製からマツダ内製へと変更され耐久性が向上。4速ATは6速ATへと変更された。そしてサスペンションジオメトリーも変更され、走行安定性と旋回性能に磨きが掛かっている。
■RX-8の中古車はAT車が多く流通している
2012年の生産終了から約10年が経過したRX-8の中古車の流通台数は現在、約355台。3カ月前の2020年12月の時点では約400台を超えていて、2021年2月に中旬から一気に減少傾向が始まった。
平均価格の推移を見てみると、3カ月前は約70万円だったが、現在は約83万円まで上昇。先月からわずか1カ月で約7万円の値上がりとなっており、まだ現在進行形だ。
中古車の平均走行距離は約7.5万kmで価格帯は約18万~約350万円と非常に幅広くなっている。年式による中古車の分布を見てみると、やはり最も多いのがデビューイヤーの2003年の約63台。続いて20004年の約60台と続き、年を追う事に流通台数は減少していく。
ただ生産終了年の2012年は2011年11月に発表されたファイナルモデルである限定2000台の「スピリットR」による影響で約32台と多めだが、中古車は圧倒的に前期型が多い。
中古車のグレード構成を見てみるとMT車のみのタイプSが最も多く約127台。次いで多いのがタイプEのAT車で約50台。そしてベースモデルの約43台となっている。
2008年のマイナーチェンジで設定された最上級グレードのタイプRSは約18台、ファイナルモデルのスピリットRは約22台。そして2007年にロータリー40周年を記念して設定された特別仕様車も2台流通している。
MT車はほとんどがタイプSとなっており、意外なようだがAT車の中古車が多く流通している。
■RX-8は爽快な加速で運転する楽しさを味わえるクルマ!
個人的には、エンジンに改良が加えられたマイナーチェンジ後のモデルを狙いたい。
前期型のトラブルが改善されているし、これから乗るのであればコンディションの良いクルマが多いからだ。
実際RX-8をドライブしたことはあるが、あのモーターのような軽快な加速フィールはレシプロエンジンとは全く異質のもの。一度体験してしまうと、取り付かれてしまう魅力がある。
そしてサスペンションが変更された後期型はウェットな路面でも路面追従性が高く、運転する楽しさを味わえる。とはいえ、すでに流通台数の減少そして中古車相場の上昇は始まっている。そうノンビリと構えている時間は残されていないのが現状だ。
コメント
コメントの使い方