クルマを買うのは一世一代の買い物。数百万円もするのだからジックリ選んで購入したいのは当然のこと。そんなクルマ選びをしていると時折出会うのがマニアも唸る「ツウな」グレード。こだわりまくっているのに実は安いとか、誰も気にしていない部分に情熱を捧げているとか、そんなグレードがあります。しかしあまりにも地味すぎてラインアップから外されてしまうこともしばしば。そこで「あの時買っておけばよかった」なグレードの名車をふり返ります。
文:清水草一/写真:ベストカー編集部
■安く、そしてもっともマニアックなSクラスが消えた!!
カーマニアは常に欲張りで、滅多に買いもしないのに、買えなくなると嘆く習性がある。絶版が発表されると突如注文が殺到するが、注文するカーマニアはエラいカーマニア。
ただのカーマニアは「もう買えなくなっちゃうのかよ!」とブーたれて終わりだ。私を含め。嘆かわしい。
私が最近最も残念というか、疑問を感じ、かつ怒りすら覚えたのは、メルセデスS300hの消滅だ! 2.2リッターディーゼル+マイルドハイブリッドで、Sクラスなのにロングドライブならリッター20キロ!
実際乗ってみてもパワー&トルクはまったく十分で、押し出しはSクラスそのもの。軍事的プレゼンスは核ミサイル並みなのに、燃料代は非常に安上がりで、しかも新車が1000万円弱で買えた!
これぞ全メルセデス中のベストグレード! と思っておりました。もちろん私の場合、そんなモンを新車で買うなんてあえり得ないので、狙いは中古車のみ。
それもまぁ「やっぱサイズデカすぎるわ」ってことで、買う可能性は1%未満かな~って感じでしたが、それでも消滅すると非常に惜しい。
なにせ全メルセデス中のベストグレードだったので、それを消滅させたメルセデスに対して怒りすら感じてしまったのです。買わないクセに。どーもすいません。
■2気筒のフェラーリを3ペダルで味わえたのに……
続いて欲しかったのに消えてしまったグレード。それはフィアット500S!
フィアット500は、登場以来まったく色あせない魅力を振りまくステキなコンパクトカーでして、特にツインエアエンジンの「ドコドコビイィィィィィィィィィ~~~~ン」というビートがもたらす快感は、「2気筒のフェラーリ」と呼ばせていただいております。
走らせても十分速いし、燃費もイイ。この世にはフィアット500ツインエアさえあればいい! それくらい大好きなクルマです。
もともとフィアット500はセミATのみで、それでも十分魅力的でしたが、後にMTモデルの「500S」が限定で追加されておりました。
ワタクシもソレに試乗させていただきましたが、正直MTだとつい回しすぎてしまい、500の持つ愛しいおマヌケ感がスポイルされて、ギンギンにスポーティに走ってしまいました。
うーん、これは500にとっていいことなのか悪いことなのか?
セミATだとかなり最低限のパワーでトコトコ走り、いざ踏み込んだ時だけビイィィィィィィィィィ~~~~ンと炸裂するというパターンになりますが、MTだとついしょちゅう炸裂させてしまって、頭に血が上ってしまう。
よし、もし500を買うなら、やっぱりツインエアのセミATだ!
そうは決めていたものの、いざ新車で買えなくなってみると、なんだか悔しい。カタログを眺めて、どのグレードもセミATになったのを見るとどうにも寂しい。
自分はとてつもなく大きなモノを失ってしまったのではないか? そんな喪失感があるのです。買いもしないのに。本当にスイマセン。
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