BMWといえば、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)のイメージが強いが、2シリーズのアクティブツアラーの投入以来、FFモデルを拡大している。
しかし、それ以上に、設定が増加しているのが、4WDモデルだ。現在、日本で販売されるBMWのモデルのうち、4WDモデルが設定されるのは、全57車種中40車種にも及ぶ。
さらに全グレードをカウントしていくと、およそ半分が4WDで占められているほど。もちろん、SUVラインの強化も要因のひとつだが、それだけではない。なぜBMWは、これほどまでに積極的に4WDを拡大しているのだろうか。
文/大音安弘、写真/BMW
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■4WD車の増加は降雪地域の顧客ニーズ
この謎を解明すべく、BMWに取材を行うと、「FRのクリーンディーゼル車は、4WDを基本としている」とのこと。
それは降雪地域の顧客ニーズに応えるためだという。実際に、クリーンディーゼル車×4WDの組み合わせは、降雪地域での販売拡大にもプラス作用を生んでいるという。
そして、もうひとつは、BMWの高性能モデル「Mパフォーマンスモデル」と「Mハイパフォーマンスモデル」の充実化にある。
現在の導入されるMモデルのうち、FRとなるのは、M2とM4だけ。しかも1シリーズなどのFFベースのモデルについては、4WDのみ。しかも、新型M4には、4WDモデルも設定されているため、今後、追加される可能性は高い。
つまり新世代Mモデルは、4WDが基本で、伝統のFRは、希少な存在となっている。その背景には、Mモデルの高出力と高トルク化にある。駆動力をしっかりと路面に伝え、グリップ力を得ることで安全性を高めるのに、4WDを積極的に採用しているというわけだ。。
■3シリーズセダンでのFRは健在
ただガソリン車の4WDやクリーンディーゼル車のFRなんてものを望む声も少なからずあるはずだが、それに対しては、「モデルラインが多いほど、顧客ニーズは高まると思われがちだが、それは選択の迷いにも繋がる。そこで、モデルラインをスリム化し、分かり易さを重視している」とのことであった。
またモデルラインの充実化は、納期や価格面でもデメリットを生む。つまりユーザーメリットを最大限考慮した結果が、4WD増に繋がったということのようだ。
もちろん、軽快な走りが売りとなる4気筒ガソリンエンジンの標準車を中心に、FFやFRが用意されているので、もちろん、定番となる3シリーズセダンでのFRの走りも楽しめる。
ただコンパクト且つハイパワーなFRのBMWとなると、2シリーズとM2に限定。そう遠くない未来に生産終了となるだろうから、ハイパワーFRを望むなら、今のうちと呼びかけたくなるのも本音だ。
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