たとえば毎年1月に開催されている東京オートサロンなどで、まばゆいばかりのど派手なカスタムカーたちを目にした方も多いはず。カスタム文化も少しずつ日本に馴染み、その理解度や認知度も上がってきた感がある。
しかーし。海外のカスタムカーにはそのさらに上をいくものがあるのだ。今回はレクサス、ポルシェのぶっとびカスタムカーをキャッチ。3台のド迫力メーカーカスタムの詳細をお届けしよう。
※本記事は2017年4月に執筆されたものです。
文・写真:ベストカー編集部
初出:ベストカー2017年4月26日号
■レクサスIS Be The ピッカピカ
光っている。しかも、猛烈に。なんとこのレクサスIS、4万1999個のLEDをまとい、その光量は17万5000ルーメンというではないか。10畳の部屋を明るくするのに必要なのが約3400ルーメンと言われているので、そのケタ違いの光量にはビックリ。スイッチひとつでレッツ・エレクトリカル・パレード。
実はこのクルマはイギリスのシンガー、デュア・リパの“Be The One”という楽曲のプロモーションビデオに使われているもの。レクサスUSAが製作した「LTIT IS(=光ったIS)」と名付けられたISは、作品中でもかなりの存在感を発揮している。日本ならきゃりーぱみゅぱみゅ向き!?
プログラムで自動制御されたLEDは自在に明滅を繰り返し、ボディの上で波のように押し迫ってくる表現も可能。超ハイテク技術で圧倒的な表現を可能にしているといっても、当然ながらLEDのインストールは手作業によるもの。その苦労たるや、クルマの派手さに比べたらとても地味。地道な作業の積み重ねというところがまた泣かせる!?
■ジュネーブに登場したゲンバラのポルシェ ぶっとびチューニングモデル
ドイツでポルシェのチューニングメーカーといえばゲンバラは押さえておきたい。3月(2017年)のジュネーブショーに登場した「アバランシェ」は、ポルシェ991ターボをチューニングしたモデル。1985年から続く「アバランシェ」シリーズの最新版だ。
フロントで62mm、リアで100mmワイドになったボディワークは存在感抜群。特にリアセクションのウィング、そして4本出しマフラーは戦闘機の可変ノズルのよう。
当然ながら中身も凄い。3.8Lターボエンジンはチューニングを施されて810ps/950Nmの大パワーを実現。もちろん補機類も専用品が与えられ、インマニや吸気系はカーボン製の専用品になるという。それ以上のスペックは未公表だ。
ゲンバラはこのクルマで、現存する市販車のありとあらゆる記録に挑戦すると明言している。よっぽど自信があると見た。後述のRUF CTR2017との頂上対決に発展するかも?
■ポルシェチューニングの雄、RUFもぶっとび
RUF(ルーフ)がジュネーブ(2017年3月)に出展したCTR2017は、710ps/880Nmのスペックもさることながら、その外観がかなり特徴的だ。なんとあの名車930ターボとうりふたつのルックス。1980年に登場した初代CTR、通称「イエローバード」をオマージュした1台である。
ベースは991だがボディやモノコックはカーボンファイバー製で、乾燥重量(燃料やオイル、冷却水などを含まない車両自体の自重のこと)はなんと1200kg。軽くてハイパワーだが、RUFの設計思想はあえてそれを狙っている。「5年前から開発を始めて、その設計思想はアナログでスリリング。だから6MTに、現代的なハイパワーを組み合わせています」と担当者は語る。
最高速は360km/h、0〜200km/h加速は3.5秒以下というから世界最速の911チューニングといっていいかもしれない。ただこのクルマ、個人的にはスリリングを通り越してもはや恐怖な気もする。だってRR(リアエンジン・リアドライブ。車体の後部にエンジンがあり後輪で駆動する方式)ですもの。
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