“ゴールデンウィークの風物詩”として有名な2021スーパーGT第2戦「たかのこのホテルFUJI 500km RACE」が5月3日・4日に富士スピードウェイで開催された。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う日程変更の影響で開催が見送られた伝統の500kmレースだが観客の人数制限をはじめとした、様々な感染防止対策を施し、2年ぶりに伝統の1戦が復活。人数自体は例年と比べると少なかったが、予選・決勝両日とも晴天に恵まれ、熱気溢れまくるレースとなった。
文/吉田知弘 写真/HONDA、GAZOO Racing
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■大混戦の予選でポールポジションを獲得したのは……
GT500クラスでは、大混戦となった予選でポールポジションを獲得したのが、19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)だった。
GT500参戦2シーズン目を迎えた宮田がQ2で驚速ラップを決め、自身としては初のGT500クラスポールポジション。チームとしては2016年第7戦タイ以来の予選トップとなった。
最近は若手の活躍が著しいのだが、その中でなかなか結果を残すことができていなかった宮田。その歯がゆさも起爆剤となり、最後は0.003秒差でポールポジションを勝ち取り「(PPが)決まったと分かった瞬間は、コックピットの中で涙が出ていました」と嬉しそうに語っていた。
しかし、今回は通常より長い500kmレース。本当の勝負はここからだ。決勝レースが始まると、8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)と、36号車au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)が集団から抜け出し、激しいトップ争いを展開した。
開幕戦の2台のパフォーマンスをみても、優勝争いはこの2台に絞られるかと思われたが……ここで予想だにしなかった伏兵が現れた。11番手スタートの17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バケット)だ。
■偶然のグッドタイミングでのフルコースイエロー しかし……
スーパーGTでは、今回からFCY(フルコースイエロー)が正式採用され、早速決勝で導入される機会があった。ちょうどのその時に1回目のピットストップを行っていたのが17号車。これで一気にタイムを稼ぎ、大逆転でトップに躍り出たのだ。
ここ最近は、セーフティカー導入のタイミングでのピットストップが勝敗が分ける大きなカギとなり、それで大きな議論を呼んだことも記憶に新しい。
FCYが導入されることで、そういった「大きな損や得」が起きるのが抑えられると期待する声もあったが、実際にはピットストップのタイミングが絡むと、損得はある程度出てしまう。
その“チャンス”を絶好のタイミングで掴んだのが17号車だった。しかし、実際にはFCY導入のタイミングを狙ったピットストップではなかったという。
「あのタイミング(FCY導入)でのピットストップは狙ったものではなくて、あそこで流れを変えようという金石監督の判断でした。それが僕たちのレースに味方してくれたとのが大きかったと思います」(塚越)。
これでトップに躍り出た17号車。2番手以下に対し15秒近いリードを築き、優勝へ真っしぐら!と行きたいところだったが……そう簡単に勝てるほど甘くないのがスーパーGTだ。
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