現在、宅配便などは細い道でも入っていける軽貨物で各家庭まで送り届けるのが主流となっている。しかし、今後電動化が進むうえで、超小型モビリティの活用を広げる企業も出てくるのではないだろうか?
2021年4月24日、警察庁が発表したのは、現在超小型モビリティなどのミニカーの積載物の上限は30kgに制限されているものを、90kgに緩和するという内容だった。そうなると積載量の緩和で、配送などに超小型モビリティ活用の場が広がる可能性が高まるのではないだろうか。
この規制緩和がどのような影響を及ぼす可能性があるのか? 考察していきたい。
文/高根英幸
写真/TOYOTA、TAJIMA-EV、トヨタ車体
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■超小型モビリティがなかなか世に出なかったのは、法整備の遅れによるもの
筆者が今後の普及を期待している乗り物に、超小型モビリティがある。最初にこの規格が立ち上げられた6年ほど前には、自動車メーカーだけでなく国内のさまざまな企業(主に自動車関連のパーツサプライヤー)が様々な車両を企画し、試作車を製作して賑やかなムードになったものだ。
ところが遅々として法整備が進まず、いつしかブームは立ち消えに。2020年ようやく法整備が整い、トヨタが『C+pod』を発売し、タジマEVも出光興産と販売に向けた開発を発表しているものの、次に続くメーカーがなかなか現れない状況だ。コロナ禍で企業の体力が低下していることも原因なのだろうが、高齢者の運転操作ミスによる交通事故の報道や、気候変動の原因と言われる温室効果ガスの排出削減を考えたら、もっと普及してほしいものだ。
そんな中、警察庁が超小型モビリティの最大積載量を引き上げることを発表した。現時点ではパブリックコメントを募集しているが、6月28日には施行されることが決まっているのだ。ただし、これはちょっと話がややこしい。
最大積載量を30kgから90kgに引き上げるというのだが、「エッ超小型モビリティって30kgまでしか積めなかったの?」と思う人もいるんじゃないだろうか。
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